国道

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編集者より通達

この階層は現状その大部分が謎に包まれています。場合によっては致命的損害を被る恐れが懸念される故、興味本位でこの階層に立ち入ることは推奨されません


危険度: n/a
空間信頼性: 不明
実体信頼性: 不明
情報提供待ち

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Level 444 N で確認されたバス停留所の標識。

国道とは、バックルームにおいて知られている例外階層の一つである。

概要

国道は、特定の手順を踏むことによってのみ到達可能な空間である。空間内の道路沿いに位置する国道標識いっぱいに「国道」とのみ記載されている1ことから国道という名称が使用されている。

国道について、2017年2月、当サイトのイレギュラー報告データベースにて「不思議なバス旅を経験した」という旨の匿名の投稿が行われたが、当時はあくまでイレギュラーとして扱われるに留まり、例外階層として分類されることはなかった。しかし、以来投稿の状況と似通った経験をしたという報告が複数確認され、幾つかの点でその状況に共通点が見出されたことから、一連の報告はある特定の空間に由来するものと見做し、例外階層として分類された。

国道に到達する現状唯一の方法として、適当な階層で不自然なバス停留所(以降単にバス停と呼称)を見つけ、その側で暫くの間屯することが知られている2。バス停の特徴としては主に以下のようなものが挙げられる。

  • 一番上の標識には実在する日本のバス会社や地名が記されている。
  • 時刻表は無記載であるか、そもそも時刻表が付属していないこともある。
  • 所々ペンキが剥がれ落ちており、やや赤錆が付着している。
  • 室内の階層では、何かしらの部屋の片隅に設置されていることがほとんどである。

また、人によってはこのバス停に対し、曖昧で形容のし難い親近感を抱くことがあるとされる。

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バス車両内部の画像。

バス停の側でしばらく待機していると、どこからともなくバス車両(以降単にバスと呼称)が姿を現し、バス停の側に停車する。その際、いかなる障害物があろうともお構い無しに貫通して現れてくる様子は中々に驚きである。

一連の報告で確認されているバスは唯一つであり、外部はやや薄暗い緑色を、内部は溌剌とした橙色と緑色を基調としている。運転手の姿は見受けられず、バスのハンドルも微動だにしていないように見えるにも関わらず、どういうわけかバスはゆったりとした速度で走行している。金銭トレイは設置されていない。あちらこちらに様々な広告が貼り付けられているのが確認できるが、その見た目は元々あった広告から文章だけを抜き取ったかのように見える。

バス停の側に停車したバスはゆっくりとこちらに向かって機体を少し傾け、入口専用の扉を重そうに開く3。対象がそのままバスに乗車しようとしない場合、バスはゆっくりと扉を閉めどこかへと走り去っていく。一方、対象がバスに乗車した場合、バスは扉を閉め、次第に走行を開始し、対象を国道へと誘う。

走行を開始して数分後、突拍子もなく車窓の景色は回転し、捻れ、倒錯し、辺り一面が暗闇に包まれる4。暫くして、目が眩むほどの閃光が辺りを埋め尽くし、視界が戻った頃にはバスが国道を走行していることに気づくだろう。国道を走行する車両はバスの他には何もなく、人気、生命の気配はなく空間全体が静寂に包まれている。

停車駅

国道を走行中、稀に路肩にバス停が出現し、バスがバス停の側に停車することがある。この時、対象はそのままバスに乗り続けるか、それともバスから降車するかを選択できる。仮に後者を選択した場合、バスは対象を置いてどこかへ走り去っていってしまうが、対象がバスに乗りたいと感じた時には、その心中を把握しているのかバスはバス停の側へと再び姿を現す。

今までに確認されている停車駅は以下の4駅である5。これら停車駅同士がどのように接続されているのかは不明である。

巡夜めぐりよ

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バス停周辺の画像。

「夜が巡る」という名前こそ冠しているが、実際には日夜が巡ることはなく、明け方或いは日没の状態が絶えず維持されている。気温は約18℃〜20℃辺りで保たれている。道路の両側では草原が際限なく広がっているように見える。上空には一番星のようにも見える煌々とした星が一つ留まっている。

空が不気味なほど赤く光っている方角には住宅街の影が確認でき、そのうち幾つかは点々とした蛍光を発しているのが見て取れる。しかし、その様子はまるで上空に影が投影されたような、或いは写真を貼り付けられたような、そのような薄っぺらさ、平坦さが感じられる。光を照射してみても影響が見受けられず、この住宅街には実体が伴っていないものと推測される。

バスが停車した後降車せずにいると、バスの扉が閉まりバスが走行を再開しようとするが、その際成人男性ほどの体長を持つ巨大な魚の骨格標本が壁を貫通し悠々と泳ぎ入ってくる。外観としては真鯛のそれに近いように思われる。

魚の骨格標本はバス内に侵入した際、対象へと接近し、日本語を用いて対象に「握手をしてもらえないか」と要求を行い、左の胸鰭の位置にある骨を差し出してくる。この時、対象が座席に座っていれば、体を折り曲げて着席するかのような素振りを見せることもあるとされる。対象が要求に応じると、魚の骨格標本は満足げな様子を見せ、ゆっくりと一礼をした後壁を貫通して姿を消す。

八ヶ来やたがき

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バス停周辺の画像。

「巡夜」とは異なり、実体を伴った住宅街が停車駅を中心に広がっている。気温は約10℃〜12℃辺りを維持しており、冷たい風が建物の隙間を走っている。一応電気は通じてはいるようだが、住宅街は閑散として、ひび割れ整備されていない道路や点在するシャッターが目立ち、ゴーストタウンのような雰囲気を醸し出している。パーキングエリアを備えた住宅も散見されるが、いずれも自家用車が配備されていないのも特徴である。

停車駅から約400m程の距離には、モダンチックな学校が建てられており、教室の利用から察するに小学校に類するものと思われる。大部分には目立った以上は確認されないが、唯一つ、学校の3階の端に位置している3年A組の教室には、中央にリンゴが山積みになった教卓が配置され、床には所謂卒業アルバムの寄せ書きのような文言が点在している。先程「リンゴ」と述べたが、その見た目はリンゴからかけ離れたものが多く、例えば「リンゴカラーの食パン一斤」や「トゲトゲした赤いハート」といったものがある。しかし、理由は不明だが、どういうわけか我々はこれら物体を「リンゴ」として違和感を覚えることなく認識が可能らしい。

反対方面約600m辺りには雑草の生い茂った小さな公園が存在する。ペンキの剥げた鉄棒2つとすべり台、ブランコ、ゾウとパンダの乗り物、そして電灯一つとそれを取り囲む円状のコンクリート製ベンチが設置されている。すべり台の頂上からスロープまでの足場は何故か湿っている。入口のそばには刈り取られた雑草でいっぱいのゴミ袋が3つまとめて置いてある。

長柴ながしば

やや浅めの穏やかな河川を挟んだ一昔前の民家が停車駅の周囲に立ち並んでいる。気温は約22℃辺りで保たれている。ヒグラシやコオロギが寂しそうに鳴き、ホタルが辺りを飛び交っているとされるが、記録媒体にはそのような証拠は確認されず、幻覚、幻聴の類の可能性がある。

しばらく周辺で屯していると、どこからともなく老若男女の祭り囃子の声が響き始める。この音声は記録媒体に置いても確認されている。この音声は河川の上流から聞こえてくるようで、次第にその音量を増幅させながら約30分に渡り鳴り続いた後、突然停止ボタンを押したかのようにブツリと音が途切れる。その後、河川の上流から、石造りの地蔵を載せた紙製の小舟が10個ほど流されてくる。

河川の上流の方角の空は周囲よりも少しばかり明るくなっているように見える。時折その方向に目をやると、何やら巨大な影が映って見えることがあり、その姿は凡そ人の形をしているように思われる。

名称不明の駅

駅名は判明していないが、イレギュラー報告中には前述の3つのどの駅とも異なるであろう駅の存在が示唆されている。田園風景の真ん中に佇んでいる駅のようだ。報告には「最初の駅以降、ずっと背後から誰かに見られているかのような感覚がしたが、振り返ってみても誰もいなかった。」とあるが、この駅に関連する現象かは不明である。

備考

  • バスの電光掲示板には時折文章が表示されることがある。以下は確認された文言の一部。
  • 「明日」が見つかりません。何をしているのですか?
  • 真っ黒い太陽が今日も私を焦がしている。いつものこと。
  • 1994年1月3日、私は親しい友人と別れの言葉を交わさなかった。
  • 「運命」を売却しました。
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バス停の画像。

階層: Level 444 N
概要: 階層内を散策していると、どこか懐かしげなバス停が目に留まった。標識をよく見ると、実在の地名が使われていた。不思議に思い、バス停のそばで屯していると、緑色のバスが道の向こうから走ってきて、目の前で停車した。バスに乗車して適当な座席に腰掛け、しばらく窓の外を眺めていると、田園風景の中新たなバス停が道路沿いに現れ、バスが脇に停車した。バスは出入り口のドアを開けたが、誰も乗車してくる様子はなく、また自身もどうも降りる気になれず、結局降車しなかった。そのままバスは走行を続け、最終的に Level 1 N にたどり着いたので、そこで降車した。
備考: バスは無人運転だった。金銭トレイがなく運賃は払えなかった。最初の駅以降、ずっと背後から誰かに見られているかのような感覚がしたが、振り返ってみても誰もいなかった。

  • すべてのバス路線には終点が存在するように、本来であればこのバス旅にも終着点なるものが存在して然るべきである。しかし、それならば最終的にこのバスがどこへと行き着くのか、そもそもこのバス旅に終わりが存在するのか、今のところは知る由もない。

入口と出口

階層への入り方

  • 適当な階層において、バス停を見つけてその側で暫くの間屯していると、どこからかバスが現れてバス停の側に停車する。バスに乗車すると、暫くして国道に辿り着く。

階層からの出方

  • バスは、不定期にランダムな階層に停車する。任意の階層に停車するかは不明である。
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