廃金庫室
評価: +31+x
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危険度: n/a
空間信頼性: 安定
実体信頼性: なし
情報提供待ち

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廃金庫室の概観

廃金庫室1とは、バックルームにおける例外的な階層であり、他階層との接続性からして特異的な空間である。

概要

廃金庫室とは、古い銀行の貸金庫室に似た閉鎖空間である。この階層には多数の金庫を備えた棚が整然と並び、壁面も全体が金庫で埋め尽くされている。人の背丈ほどの高さがある棚に視線が遮られるため階層内の見通しが悪く、金庫の規則的な配置が閉塞感を感じさせる。空調はほとんど機能しておらず、滞留した埃っぽい空気の静けさに音がよく反響する。

階層の装飾的な特徴は一定であるものの、報告者ごとに異なる室形が報告される。その形態には、端から端まで数百メートルの長さである迷路状の大部屋から、一辺が数メートル程度の小部屋までもが確認されている。ただし、大抵の場合では銀行の貸金庫室として常識的な規模であり、上述のように極端な空間は数例が報告されているのみである。およそすべての報告に共通して、階層の一角には消灯された暗い空間へ続く鉄格子の扉が存在している。

金庫には複数のサイズがあり、大きい容量の金庫ほど低い位置に配置されている。腰ほどの高さには、引き出し式の作業机が造り付けられている。金庫の奥行きはいずれも一定で、指先から肘までの長さ程度である。ほとんどの金庫は、2 つの鍵穴がいずれも施錠されておらず、扉さえ完全に閉じられていないものが多い。金庫に振られている番号は一意であり、同じ空間に存在する他の金庫とは重複しないものと思われる。また、金庫は番号順に配列されているが、所々で番号が大きく飛ぶことがある。多くの場合で最小の番号は一桁の "1" であるが、より大きい数字が最小となる場合もある。

相対危険度評価について

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廃金庫室の内部を写した写真

廃金庫室では外れ落ちることができず、安定した脱出手段は後述の「鍵」を用いる方法しか確認されていない。よって、鍵を所持していない場合は脱出が不可能であると推測される。また、この階層では Wi-Fi などが使用できず、通信を伴う異常性を持つバックルームの物品2も機能を阻害されるようであるため、外部との連絡手段が確立されていない。これらのことから、そもそも鍵を所持していない状態で廃金庫室に侵入したことを報告できる者が存在せず、そのようなことが発生するか否かも定かではない。

よく知られている、鍵の入手を伴う方法で廃金庫室へ移動した場合の危険度は 1 相当であり、実際にこの階層は危険度 1 として当初は分類されていた。しかし、後述のある報告がなされたことによって、鍵を入手しない侵入方法の存在が現実的な可能性として浮上したこと、そして階層内部の物資が乏しいことを考慮しつつ、情報の不足から廃金庫室の相対危険度評価は N/A へと保留された。改訂以前の空間信頼性は「安定」、実体信頼性は「実体なし」である。

報告数が非常に少ないものの、バックルームと現実世界を含む各地で、この階層の貸金庫の鍵が見つかることが知られている。鍵は 2 つ組であり、持ち手には番号が記載されている。しかし、その他の特徴には一貫性がなく、プラスチック製のキーリングとテープラベルの番号表示が付けられた簡易的な鍵や、麻紐で纏められて番号が彫刻された木製の鍵であるような、およそ貸金庫に似つかわしくないものも確認されている。

この鍵を廃金庫室以外の階層で鍵穴に差し込もうとする試みは、それがどのような鍵穴であろうとも、廃金庫室への移動現象を発生させる。

この階層内部では、鍵は記載された番号の金庫を正常に解錠することができる。ただし、この方法で解錠された金庫の扉に手を掛けた瞬間、さらに別の階層への移動現象が発生する。この際、2 つ組の鍵のうち片方が消失し、残った鍵からは廃金庫室への移動効果が失われている。発見された鍵番号のうち、1 番からおよそ十番台半ばまでの金庫の移動先は Wiki で設定されている階層番号にほぼ一致しており、例えば 1 番の鍵で 1 番の金庫を解錠した放浪者は Level 1 N へと移動している。このことから、行き先は番号によって固定であると推察される。

数少ない施錠されている金庫の番号は報告ごとに異なるが、報告と状況を総合して、少なくとも階層への移動に使用した鍵に対応するひとつの金庫は必ず施錠されているようである。過去に発見されたものと同番号の鍵が再び発見されたことは未だかつてないが、これが単に確率的なものか、鍵と金庫が一回性を持つためであるかは判明していない。

物品

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金庫の接写画像

階層の大半を占める施錠されていない金庫では、扉の開閉による階層移動が発生しない。ほとんどの金庫には何も保管されておらず、他に目立った物品が存在しないため、この階層における生活物資の補給は困難である。

比較的少数であるが物品が保管されている金庫も存在し、その内容物は金庫そのものと同じように何も入っていない容器である。以下に示すような容器が発見されており、これらが入れ子になっていることもある。

  • 一般的な金属製の貸金庫ボックス
  • 食品や雑貨の外装
  • 缶やペットボトル、紙パック、瓢箪などの液体用容器
  • ビニールや紙製の袋
  • 封筒やクリアファイルなどの書類ケース
  • 衣類や鞄類
  • 茶碗や鍋などの食器、調理器具類
  • 電子機器の防水ケース
  • 貯金箱や家庭用金庫などの貴重品保管装置
  • 銃器やその弾倉、薬莢など。火薬が充填されたものは発見されていない。

また、ミイラ状の小動物らしき物体や、果肉に当たる部分が空洞になった無傷の果実が保管されていたとする報告も存在する。これらの情報を鑑みて、内側に何かを格納する空間が存在するあらゆる物体が金庫の内部に出現する可能性を考慮すべきである。

施錠されている金庫は強固であり、前述した鍵以外の手段で解錠に成功したとする報告は存在しない。

鉄格子の扉

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暗い空間へ通じる鉄格子の扉

施錠され、赤と白のストライプテープによって封鎖された鉄格子の扉である。上部の枠には数字が記載された小さなプレートが設置されており、この番号は報告によって異なる。階層の隅に一つだけ存在するが、この先への侵入に成功して帰還した例は知られていない。

鉄格子の奥は暗闇である。視認可能な範囲は殺風景な倉庫か事務室、あるいは廊下のように見える。階層の他の部分とは違い、鉄格子の先の景色は報告者によらず常に一定で変動しないものと思われる。内部を照明で照らすと、光が引き延ばされたように不自然に減衰するため、奥の様子を観測することはできていない。

帰還不可能性

この階層が危険度 1 に分類されていた当時、通信が不可能なことによる生存者バイアスのために、階層の相対危険度が実際より低く見積もられている可能性が既に指摘されていた。このことは、廃金庫室に関するある報告が階層安全性検証スレッド3の注目を浴びた一因であった。最後に、この報告の要旨を以下に示す。偶発的な方法で廃金庫室へと侵入し、かつ帰還した唯一の報告である。報告者が鍵を所持していたのは恐らく偶然であると思われ、相対危険度が N/A へと保留される発端となった。


[報告簡易書式]: 廃金庫室


事象

  • 未知の手段による 廃金庫室 への侵入。
  • 廃金庫室 の未知状態。
  • 未知状態にある 廃金庫室 からの脱出。

背景

  • 以前に 2 つ組の鍵を拾得しており、その際に 廃金庫室 の事前情報を得ていた。
  • Level 240 N から Level 63 N への移動を試み、「ダレモ / イナイ / の?」 と書かれた落書きへ外れ落ちた。

状況

  • Level 240 N で外れ落ちた際、廃金庫室 へ移動した。
  • 廃金庫室 は広大かつ横長で、短辺は数十 m 程度、長辺の全長は把握できなかった。
  • 確認した限りすべての金庫が閉じ、施錠されていた。
  • 鉄格子の扉が複数存在し、すべて開いていた。

行動

  • 事前に得ていた 廃金庫室 の情報と異なる様相に不穏を感じた。
  • 恐怖のため、所持していた鍵を使用して可能な限り速やかに 廃金庫室 から脱出した。
  • 鍵の番号に合致する金庫を見つけるまでに体感で 10 分程度の時間を要したが、この程度の時間で済んだのは恐らく幸運であった。

結果

  • 60614 番の鍵によって同番号の金庫を解錠し、Level 34 N へ移動した。

以上

入口と出口

階層への入り方

  • バックルームや現実世界で、番号が記された 2 つ組の鍵を見つけることがある。この鍵を鍵穴に差し込もうとすると、それがどのような鍵穴であろうとも 廃金庫室 へ移動する。
  • Level 42 N の住宅や Level 58 N の停止したドラム式洗濯機、Level 962 N のクローゼットなどからビジネススーツを発見して手に取ったところ、唐突に 廃金庫室 へ移動したとする報告が複数存在する。いずれの場合も、スーツのポケットに 廃金庫室 の鍵が入っていた。
  • Level 240 N で落書きに外れ落ちたところ、 廃金庫室 へ移動したとする事例が 1 件のみ報告されている。

階層からの出方

  • 「鍵」は同じ番号を持つ施錠された金庫を解錠することが可能である。金庫を解錠して開こうとすると、番号ごとに特定の階層へと移動する。
    • 一桁の番号を持つ鍵は既に全て発見されている。これを使用することで、金庫と同じ番号の階層へ移動している。
    • 13 番の鍵と金庫から Level 13 N へ移動している。
    • 3621 番の鍵から Level 94 N の副次階層4へ移動している。
    • 60614 番の鍵と金庫から Level 34 N へ移動している。
    • 828433 番の鍵と金庫から Level 303 N へ移動している。
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