Level 982 N

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危険度: 3
空間信頼性: 不安定
実体信頼性: 実体なし
情報提供待ち

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Level 982 N の市街地を映した写真。

Level 982 N は、バックルームの 982 N 番目の階層である。

概要

Level 982 N は、ロンドン中心部に酷似した市街地と、緑の多い郊外によって構成される、雲によって常に空を覆われた空間である。階層全体が常に霧によって包まれており、探索には若干の視覚的困難が伴う。気温は若干高く、前述のように霧が発生していることも相まって、常にじとっとした蒸し暑さが付きまとうだろう。また、後述の理由により、極端に霧の濃い領域に踏み入ることは推奨されない。

Level 982 N の霧には煤や煙が多く混じっており、階層全体に煙たい空気が漂っている。得られる物資が少ないことも考えて、当階層に長居するべきではない。事実、この階層に長期間滞在した結果、酷い喘息になったという事例が複数報告されている。速やかに郊外エリアへと移動し、この階層から脱出することを推奨する。

市街地

Level 982 N の市街地部分は比較的霧が薄く、探索自体を目的とする場合、このエリアを中心として探索することを推奨する。頻度こそかなり少ないが、稀にトマト缶や水の入った瓶が片隅に置かれていることがある。ただし、路地裏には濃霧が発生していることが多く、進入するべきではないだろう。

市街地の建造物のほとんどには、その出入口から伸びた、大小さまざまなパイプが複数本巻き付いている。度合は様々だがいずれも錆びついており、モノによっては穴が空いていることがある。管同士はボルトやナットによって繋がれており、その隙間や先述の穴から、時折高温の水蒸気が噴き出すことがある。容器等を持っていればここから水分を得ることも可能であろうが、衛生的な問題より推奨はされない。また、どのパイプも僅かに振動しており、触れると、暖かい ~ 熱いと感じる程度の熱を持っていることがわかるだろう。

歩道の端や建物の壁などからは、錆びついた歯車がむき出しになっていることがある。それらはほとんどの場合稼働し続けており、その速度や歯数・大きさは様々ながらも、グルグルと回っている様子が確認できるだろう。

建物の壁や地面に耳を当てると、歯車が回転したり、蒸気が噴き出したりするような音が聞こえてくる。場所によってはその振動を感じることができるだろう。そのため、この階層の地下や建造物の内部は、歯車やパイプによって満たされているのではないかと推測されている。

市街地の中心と目される場所には、英国国会議事堂が存在している。内部への進入は他のほとんどの建物と同様に、パイプによって阻まれ不可能である。時計塔に近づくにつれて、徐々にパイプや歯車の露出割合と大きさが増していくことが知られており、確認される歯車はそのほとんどが辺りに見受けられるものよりも正確に動作している。また、蒸気が噴出する頻度も高くなる。

河川

英国国会議事堂近辺、および市街地エリアと郊外エリアのおおよその境界には、幅の広い河川が存在する。その水面は空間全体に蔓延る深い灰色を反映しており、覗き込んでもその奥底を見ることはできない。橋が架かっており、そこから向こう岸へと渡ることが可能である。

掬い上げたところで、河川の水は見るからに灰色に濁っており、ヘドロのような悪臭がするため、飲用水として用いることは推奨されない。

上流あるいは下流を目指そうとすると、大抵の場合はいつの間にか元居た場所へと戻ってくる。しかしたまに、その上流へとたどり着いたという報告が為されることがある。詳しくは 備考 を参照。

郊外

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Level 982 N の郊外。

郊外エリアは、市街地エリアとは対照的に、木や雑草などの植物が多く、パイプや歯車といったものが少ない。しかし地面に耳を当てると、市街地同様に歯車の稼働音が聞こえてくる。また、エリア全体には「雨上がりの匂い」「下水道の匂い」と称される悪臭が漂っており、体質によっては酷い不快感を感じたり、体調不良を引き起こす可能性があるだろう。

市街地から離れるにつれて霧が濃くなる傾向にあり、また、空間が徐々に不安定になっていく。濃霧に気を付けながらこのあたりを彷徨っていると、気が付けば他の階層に移動している。

このエリアは先述のように植物で満ち溢れているものの、木はその葉をほとんど散らしており、芝生の青さはどこか仄暗い。稀に樹木がリンゴを生らしている様子が見受けられるが、大抵の場合通常のものよりも小ぶりで色艶が悪く、どこか萎れており、汚れた大気の影響がありありと見て取れる。

このリンゴの摂食を試みた放浪者によれば、「リンゴ特有の甘酸っぱさもほんのわずかにあったが、水を多く含んだ泥のような食感と酷い渋みで食べられたものではなかった」という。また、時折キノコが見受けられることもあるが、複数の報告より毒を有している可能性が高いため、摂食は推奨されない。

事象

濃霧

Level 982 N の霧には、時折、完全に辺りが見えなくなるほど極端に濃くなる領域が発生する。市街地の路地裏や郊外にて頻繁に発生しやすいことが知られている。

放浪者からの報告によれば、「自身と空間の境界が曖昧になる感覚に襲われる」1という。この報告をした放浪者のほとんどが消息を絶っており、濃霧から脱出した放浪者も酷い喘息等の症状を訴えているために、霧が濃く出ているエリアに立ち入るべきではない。霧の濃淡は比較的シームレスであるので、少しでも霧が濃いと思った場合、すぐに引き返すべきである。

時報

Level 982 N の歯車やパイプが何を動かしているのかは不明であるが、ビッグ・ベンの大時計を動かすための機構なのではないかという推測が為されている。機構として明確に動作していることが判明しているのが、現状、英国国会議事堂付属の時計塔たるビッグ・ベンのみであるからだ。

Level 982 N のビッグ・ベンは現実のそれと同様に、 15 分置きに"ウェストミンスターの鐘"のメロディを奏でる。これは郊外エリアにいたとしても聞き取ることが可能であり、時間間隔をある程度保つことができるだろう。

備考

その1

先述のように、河川の上流に辿り着いたという報告が挙げられることがある。いずれの報告にも共通する事項は以下の通り;

  • 川幅が通常よりも明らかに広く、対岸は深い霧に包まれていてよく見えない。
  • 上流の水は比較的綺麗であり、わずかながら奥底に転がる石をのぞくことができる。
  • 用途不明な歯車が取り付けられた巨大なパイプが対岸側に薄っすらと見受けられ、そこからどす黒い汚水が垂れ流されている。
  • パイプは何等かの建造物に繋がっていると思われるが、深い霧に包まれて目視できない。
  • 時折軋むような轟音が聞こえてくる。

また、「霧の一部が一時的に晴れ上がり、対岸の遥か遠方に、回転している巨大な歯車と灰色の煙を吐き出す煙突を持った、工場プラントのような建造物群を目撃した」という報告も数件ながら存在する。

その2

当該備考は比較的報告数が多く、かつその内容がほとんどの場合で一貫しているため、詳細に記す。

英国国会議事堂近辺に、侵入できる建造物が発見されることがある。その屋内は臭いがほとんどせず、わずかに湿っていることを除けば外よりも遥かに衛生的だ。内部は緩やかに下側へと傾斜しており、そのまま奥の方へと伸びていっている。道を下る中で、歯車が複雑に噛み合い、パイプが僅かに振動しながら、壁や天井を縦横無尽に駆け巡っているのが確認できる。また、進んでいくごとに徐々に歯車の駆動音などが増え、空間全体がうるさくなっていく。

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屋内。

道中、写真の収められた額縁がいくつか、壁に掛けられていることがある。写真はどれも古い年代に撮られたようであり、その中には郊外や河川の風景と大まかに一致しているものも見受けられる。しかし、写真の中の樹木は葉を生い茂らせており、芝生の隙間からは小さな花が顔を覗かせている。河川のそれは、揺蕩いながら光を反射する水面と、その奥底に沈む細石が鮮明に写し出されている。また、いずれの写真においても階層を包んでいる霧は見受けられず、雲も大小の違いこそあれど曇天のように広がってはいない。

暫く奥へと進んでいると、床が平坦になり、比較的広い空間に到達する。天井や壁にはパイプと歯車が密集しており、天井からビッグ・ベンの大時計を模したと思わしき時計が吊り下げられているのが確認できるだろう。歯車の回る音やパイプの震える音、時計の秒針などによって、この空間は一際喧しい。一番奥には、ひときわ目立つ真っ赤なバルブが取り付けられている。このバルブは容易に回すことが出来る。

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赤色のバルブ。

バルブをある程度回すと、空気が抜けるような音がするとともに、廻っていた歯車が音高く軋みながらゆっくりと停止していく。天井の歯車が外れ、そこから連鎖的に落下することもあるようだ。数秒ほどでパイプの振動も止まり、さきほどまでとは一転して空間全体が死んだかのように静まり返る。これは道を引き返したとしても変わらず、全ての機構はその動作を完全に停止している。

緩く地上へと向かう傾斜を上り、建造物から出たところで、振動を伴う強い地鳴りと共に、階層全体から強烈な金属音が鳴り響く。数十秒ほどそれが続いたのち、ビッグ・ベンが、その音色と速度を徐々に歪ませながら、"ウェストミンスターの鐘"を何度も謡い重ねる。同時に、時計塔に巻き付くパイプからは灰色の煙が噴き出し、あちこちから顔を覗かせていた巨大な歯車が抜け落ちていく。ほとんどの放浪者はここで危機感を抱き、避難を試みる。

ある程度離れたところで、唐突に"ウェストミンスターの鐘"が鳴り止む。そこで時計塔を見上げると、一際太いパイプが破裂音とともに爆発を起こし、どす黒い煙が辺りへと放出される様子が観測できるだろう。

その後、小さな爆発を繰り返し、周囲一帯に歯車や建材をばらまき、煙と霧を吹き飛ばしながら、蒸気と歯車仕掛けの時計塔は、轟音の中でついに崩落する。

直後、空気が抜けるような音とともに、階層全体のあらゆる隙間やひび割れから、真っ白な水蒸気が噴出する。直に浴びた放浪者によると、確かに熱いが火傷とまではいかない程度の温度であるらしい。蒸気は数分以上放出され、最終的に階層全体が一度、真っ白に染め上がる。

蒸気の噴出が停止し、徐々に晴れ上がっていくにつれ、階層全体が、明るく暖かい光で照らされていることに気が付くだろう。水蒸気のヴェールが完全に消滅すると同時に、ずぶ濡れとなった階層はその表情を一変させる。空は真っ青に晴れ渡り、煙たい臭いは消え去り、階層に蔓延っていた霧は見る影もなくなっている。2

市街地エリアでは、ありとあらゆる歯車が職務を放棄し、パイプは振動を止めて冷え切っている。地面の奥底から響いていた振動は感じられなくなり、ところどころに出来た水たまりが、真っ青な空を映し出している。

河川エリアを訪れると、灰色に濁っていた水面は光を反射し、そしてその奥底に見える大小さまざまな石が、僅かにではあるが見えるようになっている。

郊外エリアに赴けば、萎れていた植物たちがどこか元気を取り戻していることに気が付くだろう。木々にはこれから芽吹くであろう蕾がいくつもつき、生い茂った雑草はわずかに背筋を伸ばし、その隙間から小さな花が顔を覗かせようとしている。

これら一連の出来事は、放浪者が外へと出ると発生するのか、あるいは発生する瞬間に放浪者が外へと出たのか、その因果関係は不明である。

この報告をした放浪者らによれば、以降 Level 982 N に到達しても、階層が元に戻ることはなかったという。一方新規の到達報告によると、階層はあいも変わらず漠然と霧に包まれており、その中心には、時計塔が荘厳かつ超然と屹立していたという。

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再び到達した放浪者によって撮影。時計塔の残骸の一部と思われる。

これらの事実を併せて考えると、 Level 982 N は辿り着いた人それぞれに、別々の空間を割り当てているようだ。

入口と出口

入口

  • Level 404 N 等、霧が出る階層を彷徨っていると、気が付いたら Level 982 N に辿り着いていることがある。

出口

  • 路地裏を探索していると、 Level 61 N に辿り着くことがある。
  • 郊外を探索していると、 Level 18 N 等の階層に辿り着くことがある。

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