放浪者により撮影された Level 95 N の宿泊階。
Level 95 N とは、バックルームにおける 95 N 番目の階層である。
概要
Level 95 N は、現実世界における日本のラブホテル内部と相似した空間である。限られた床面積を持つフロアが上下方向に無限に連続し、 Level 71 N に近い構造であるとも言える階層だが、この階層の場合は各フロアを階段とエレベーターの両方で移動することが可能である。
Level 95 N のフロアには宿泊階と受付階の二つがあり、12フロアの宿泊階と1フロアの受付階が周期的に重なっている。各フロアの構造そのものは完全に共通するが、状況などにはフロア毎に差異があり全く同一のフロアは存在していない。また、宿泊階及び受付階は大半の部屋が施錠されており、奥側へ侵入する事は不可能である。また、稀に実体と遭遇する場合がある。
実体
Level 95 N では一度だけ他の放浪者らしき見知らぬ人物と出逢う事があり、挨拶や微笑みなど好意を感じさせる接触をしてきたとの報告が複数件も確認されている。しかしながら、この人物は放浪者が返答などのコミュニケーションを取ろうとした段階で唐突に消えてしまい、現在までこの人物と再会したとの報告は確認されていない。
放浪者の失踪報告や接触報告などが確認されていない事から、この人物は現実には存在しない不明な実体であると推測されている。ただし、 Level 94 N の実体とは違って放浪者を認知している事などから、この実体は Level 95 N 固有の存在であると考えられている。
受付階
放浪者が最初に到達する空間であり、黒い大理石や間接照明などで統一された様式の薄暗い空間である。空調が常に強い冷房であるため、長期滞在を目的とした放浪者には肌着を持ち込む事を推奨する。しかしながら、ドリンクバーやアメニティなどの殆どの資源はほとんど品切れ状態であり、現在においては長期滞在は資源の欠乏を招くとして推奨されていない。
また、Level 95 N で確認できる資源には琥珀で固まった人の爪や血塗れの茶葉など、不衛生な物品が混入している場合が少なくない。よって、安全的な観念からもこの階層の資源を採取する事は推奨できない。
無人受付機
無人受付に設置されている液晶は常に満室が表示されており、放浪者からの操作は全くもって受け付けない。基本的に画面の内容が変わる事は無いが、稀に受付機自体の電源が切れている場合がある。
宿泊階
放浪者が受付階から上下に移動した場合に到達する、宿泊用であると思われるフロアである。消化器や非常灯などを除いた全体が朱華色で統一されており、空調は受付階とは反対に強い暖房である。廊下には一定の感覚で扉が存在し、確認されている限りでは全ての階で横に二十室が並んでおり、その内の殆どは施錠されている。
開放された部屋
宿泊階には稀に開放された部屋があり、内部へ侵入する事が可能である。内部の構造は基本的なラブホテルの部屋と大差は無いが、ベットルームだけは完全に寝具で占有されて床が存在していない。また、室内の環境や物品には不自然な様相な物が多く、下記の様な通常の使用では有り得ない不可解な状態の物も数多く報告されている。
- 不明な体液で酷く濡れたベットメイキング済みの寝具
- ローションが張っているが使用された形跡のない浴槽
- 未使用の袋の無いコンドーム群
- 未開封であるピルの空薬袋
- 摂食済みであるピザの皿
- ペアリングの片割
- 入浴剤の混入した原色の湯を沸かすケトル
しかしながら、生存に有用な資源や設備は一切において確認されていない。また、休憩所として使用した際も、寝具などが基本的に酷く汚損している事から精神的に嫌悪を感じ、体力は万全に回復できなかったとの報告が大半を占めている。
施錠された部屋
宿泊階のほとんどがこの施錠された部屋であり、内部へ侵入する事は不可能である。ただし、内部からは扉に聞き耳をする事でかろうじて聴こえる程度の音が常に発生しており、男女の会話や嬌声、寝具の軋む音、シャワーなどの水音などが発生し続けている。
施錠された部屋から聞こえる会話には、放浪者が過去親しかった元恋人や元配偶者、そして先述の実体などが不明な異性と話しているとの報告も存在しており、放浪者を指して「気持ち悪い」と軽蔑する場合がある。
また、過去の知人をこの階層で確認できた放浪者は、 Level 99 N への到達時に必ず降雨現象を経験する。この音は電源が落ちるように不自然に断絶するが、1度離れる事により音は再度発生し始める。
入口と出口
階層への入り方
Level 95 N には、都市型階層である Level 11 N 、 Level 24 N 、 Level 94 N などに存在するラブホテルのような建造物に入る事で容易に到達する事が可能である。逆に外落などの偶発的な入口は一切確認されておらず、 Level 95 N の到達は全て放浪者自身の意志による物である。
階層からの出方
Level 95 N の受付階に存在する出入口より元居た階層へと戻る事ができる。入り方と同様に偶発的な脱出は一切確認されていない。その点から Level 95 N とは、誰にも干渉されず放浪者の意思で好きに出入りできる稀な階層である。
しかしながら、 Level 95 N に出入りする行為が単に元の階層との往復を繰り返すだけであり、生存においては無駄に時間を浪費するだけである。その為、Level 95 N に無意味に滞在する事は推奨されない。

