Level 82 N 内で撮影された画像。
Level 82 N とは、バックルームにおける 82 N 番目の階層である。
概要
Level 82 N は、一定の密度で存在する駅と、それを取り囲むようにして乱立する建物、そして一本の大きな道路とそこから伸びる曲がりくねった無数の脇道によって構成される街のような空間である。気温は10℃前後、湿度はおよそ50%ほどであり、比較的安定した肌寒い気候である。天候は安定しており、降雨や降雪などの報告は存在しない。時間帯は深夜で固定されており、雲の位置によっては空に輝く満月を見ることも出来る。雲は煌々と輝く月と街の明かりによって照らされ、僅かながらその姿に白みを帯びている。時折風が建物の合間を吹き抜け、そのたびに冷たい空気が泣くような音と共に過ぎ去るだろう。夜闇に飲まれた道は暗く、その中に立つ街灯無しには先を見通せない。また階層構造、特に脇道はしばしば不安定であり、ふと振り返った時には来た道の景色ががらりと変わっていることもある。引き返すことは推奨されない。
建物
Level 82 N 内には、無数の建物が立ち並んでいる。これにはビル、一軒家、マンションなどが多く見られ、現実世界における都市部の縁辺部に類似した環境である。配置には規則性が見られず、小さな平屋を無数のビルが取り囲んでいるなど、一見すれば不可解な並びも存在する。鍵はかかっているものとそうでないものがあるが、いずれの場合も窓などから侵入は可能である。しかしながら、建物内には一切の物品が存在せず、床のみが広がっており、物資補給も不可能なため、侵入する価値は無いであろう。
また、建物内の電気が明滅したり、中から足音が聞こえたなどの報告が多数存在するが、該当する箇所を探索しても実体の類は発見されなかった。現在後述する視線と並行して情報提供が求められている。
駅
階層内には大規模または小規模な駅舎が点在している。これは地下鉄のものと高架線のものが混在している。このどちらも乗り入れている例も存在するが、階層構造が都会のものに近いゆえか地上を走る線路は確認されていない。この内部は非常に不安定であり、構造的に脈絡のない通路や階段、先のない扉や路上に設置された改札などにより複雑な様相を呈している。
駅はこの階層からの離脱において重要であり、階層内ではここへの到達を目標として行動することが望ましいが、この時脇道に逸れることは推奨されない。階層内でしばしば見られる鉄道高架は駅への経路を示しているが、それらはこの階層において唯一連続性をもって存在している一本道に交差するような形で発見されることが多く、それを辿るには脇道に逸れる必要がある。前述の通り脇道は特に空間が不安定であり、入り組んだ構造になりやすい。単純に迷う可能性が高く、元の道への帰還が困難になるうえ、最悪の場合は空間の変動によって閉じ込められる可能性すらある。駅は階層内にほぼ一定の密度で存在しているため、一本道をまっすぐに進むのが最善の選択である。
視線/影
Level 82 N は、どこかから視線を感じるという報告が後を絶たない。これは飛び出し注意の看板の裏やマンホールの蓋の小さい穴、ビルやマンションの窓等、通常では注視しないような場所から"何者かに見られている"という感覚を覚えたというものが多数である。しかしながら、階層内で何らかの実体が確認されたという報告は存在せず、視線の正体は未だ不明なままである。これらの視線は探索者が視線を無視し、階層からの離脱を目的として駅に向かうと徐々に減少してゆき、最終的には一切の気配が無くなると言われている。また、放浪者が、視線を辿ってその源を究明することは自身では不可能であると判断した場合でも消失するとされているが、この場合は前者と違い全ての視線が一瞬にして消えると報告される。
中には、街灯の下やビルのエントランスなどの明るい場所で動く影を見たという報告も存在するが、関連性は不明である。なお、それをしばらく注視していたところ、建物の影や街灯間の狭間などの暗闇に消え、それ以降姿を見せることは無かったという。
これらは前述の通りその正体が不明であるが、放浪者の間では実体の可能性が高いと噂されている。また、この階層で何らかの実体による被害を受けたという報告は存在しない。しかし実体関連の情報の不確定性、空間の不安定性、そしてその環境からこの階層への意図的な進入は推奨されない。
焦燥
前述した視線の消失が発生した場合、放浪者は階層からの脱出に対する焦燥の念を抱くことが報告されている。驚くべきことに、この階層に関する既存の報告の全てに焦燥に関する内容が含まれており、現在のところ例外は存在しない。しかし焦燥の感じ方には大きく分けて二種類が確認されている。これは視線が消失した原因によって変化すると推測されている。
視線を無視して駅を目指した場合、視線が減るたびに広い夜の街に1人取り残されたことを実感するだろう。人のようなものの気配は恐ろしいほど急速に消えてゆき、階層内で動くものは自身だけであることを痛感する。光は月と街灯以外に見当たらず、吹き抜ける風と自身の足音のみがこだまする。変化への戸惑いは次第に孤独への恐怖や邂逅の念へと移り変わり、最終的には階層からの脱出に対する焦燥へとなるだろう。
視線の正体を探り続けた場合、いずれかの時点で、視線の正体は理解できるものではなく、またそれへの干渉もできないことがわかるだろう。未知への恐怖は次第にエスカレートし、精神的な負荷が増大する。また、視線が一度に全て消失する点も恐怖を増強する要素として挙げられることが多い。これらは一気に階層からの脱出に対する焦燥へと転じるだろう。
なお、この焦燥はその原因とは関係なく時間の経過と共に増していくと報告されている。前述の通りこの階層にはめぼしい物資も存在しない為、焦燥を感じ始めたら素直に脱出する事を推奨する。
入口と出口
階層への入り方
- 現実世界 を含む夜の都市を1人で歩いているといつの間にか Level 82 N に進入していることがある。特に Level 34 N と Level 11.12 N からの進入例が多いため、これらの階層を探索する時は注意すべきである。
階層からの出方
- Level 82 N の地下鉄の駅内を探索していると、いつのまにか Level 1 N に到達していることがある。
- Level 82 N の地下鉄で稀にやってくる電車に乗ると、 Level 200 N に到達する。
- Level 82 N の高架線で線路上を移動していると、いつのまにか Level 20.2 N に到達している。
- Level 82 N の高架線の駅で稀にやってくる電車に乗ると、都市的な構造を持つランダムな階層に到達する。この時、到達先の階層は必ず夜である。
- 現実世界から Level 82 N に到達した旨の報告を行った放浪者は、その多くが比較的短期間での帰還を果たしている。帰還者報告スレッドによれば、その際に用いられた出口は高架線の電車への搭乗が最も多い。また、全ての例において、帰還時はバックルームへ到達する直前にいた地点近辺の駅舎周辺に移動していたと報告されている。

