Level 78 N
評価: +19+x
blank.png

危険度: 1
空間信頼性: 安定
実体信頼性: 実体なし
情報提供待ち

the_patios_of_the_pale_water_1.jpg

Level 78 N の内部を記録した写真

Level 78 N とは、バックルームにおける 78 N 番目の階層である。

概要

Level 78 N は、建築物によって取り囲まれた小規模な無数の中庭が、どこまでも単調に連なる空間である。中庭は面積のほとんどが遊泳用プールに占められ、外周の建築物に空いた通路は隣接する相似的な中庭へと続いている。

気温はやや低いが、水に入らなければ十分に過ごしやすい。階層内は無風かつ静寂で、放浪者が立てた音が周囲の建築物に柔らかく反響する。少数ではあるが、水面には視覚的な異常現象が報告されている。

気候

湿度はやや低く、無風である。気温も概ね快い範囲であるが、身体を濡らしたままで快適に過ごせるほどには高くない。低体温症に陥る危険性があるため、身体を拭けるものを所持していないのであれば、プールの水に入ってはいけない。

天候は常に曇天である。太陽は雲の奥で午後のように軽く傾いて不動であり、常に日中の日射しで中庭を照らしている。雲は一方向に緩慢な速度で流れているようで、雲の濃淡によって太陽光の強度が微妙に変化する。

無風であるがゆえに、放浪者が立てる歩行音を除いてほとんど階層内は無音である。それでもどういう訳か、窓やカーテンが微かに揺れ動く音や、観葉植物の葉擦れの音などが、耳を澄ませば静かに響くことが時折ある。

中庭

中庭を取り囲む建築物は白と黄を基調とした南欧風の様式で統一されている。中庭には様々な観葉植物が配置されており、かすかな草木と砂土の気配が漂っている。

床面積のほとんどをプールが占めているため、実質的に行動できる範囲はプールの外縁やプール同士の間へ渡された狭い床面、つまりプールサイドに限られる。このプールはいずれもそれほど深さがなく、一般的な温水プールほどの生温かい水温をして、その底は一面が淡い水色で塗装されている。

中庭は、これを取り囲む建築物に空いたアーチ状の通路によって、よく似た別の中庭へと接続されている。この通路はあまり長いものではなく、中庭を隔てる建築物の厚みは 5 メートルからせいぜい 15 メートルほど、極端な場合ではおよそ 2 メートル以下しかないことがある。ひとつの中庭からは概ね二つか三つほどの通路が伸びる。

接続された各中庭のそれぞれが異なる構造を持っているが、そのすべてが非常に似通った印象を抱かせ、あたかも共通の建築的な部品を異なる手順で組み立てたかのように、中庭は既視感に満ちている。この強い反復性に留意する必要はあるが、一見して分かるほどの空間変動の発生は報告されておらず、Level 78 N は比較的安定した空間であると思われる。

the_patios_of_the_pale_water_2.jpg

よく似た別の中庭を記録した写真

建築物

中庭の外形を形作る建築物は概ね二階建てであり、入口らしい扉や通路が見つけられない。中庭と中庭を繋ぐ屋外通路も建築物の内部には通じず、多数の窓が唯一の侵入経路である。一階部分のほとんどの窓は嵌め殺しであり、そうでなくとも鉄格子によって塞がれているため、建築物内部への侵入には障害となる。最も簡単な侵入方法は嵌め殺し窓の硝子を割ることである。

2階には嵌め殺し窓が少なく、鉄格子のような侵入を阻む設備もほとんど備えられていない。なかには開いている窓さえあり、微かな風に吹かれたかのように、カーテンが時折ゆるやかに靡いている。背の高い植木をよじ登ることで二階の開いた窓へ侵入できる可能性があるが、その結果は一階の窓を割る侵入手段とさして変わらない。

建築物へと侵入すると確実に階層移動が発生するため、建築物の内部の様子は未だ確認されていない。

物品

大小様々な観葉植物のほかには、デフォルメされた小さなアヒルの玩具1がプールに浮いていたという報告が数例なされている以外に、目立った物品が確認されていない。

プールに満たされている水からは水道水のように微かな塩素臭がしており、基本的には問題なく飲用できるものと思われる。ただし、水面には後段にて述べる異常性が報告されており、階層移動の端緒となる箇所でもあるため、警戒が必要である。

水が豊富である反面、食料の入手手段に乏しく、稀に背の低い鉢植えから小さな青い実を見つけることができるのみである。この青い実はとても甘味が強いが、十分な量を確保するのは難しい。飢餓に陥る可能性が高いため、Level 78 N では長期に渡る滞在ができない。

水面

プールの水面にまつわる不可解な現象として、そこに映るべき鏡像が何一つとして映らなくなることがある、という複数の報告が存在する。周囲を囲む建築物はもとより、空に浮かぶ雲と太陽、覗き込む自分自身の顔までもが水面から消え去り、のっぺりとした底の水色に塗り込められたかのようであるという。

また、実在しないはずの窓や通路がプールの水面に映っていた、という報告も存在する。このような鏡像には対応する実物の窓や通路が実在せず、それがあるはずの場所へ触れたところで何の変哲もない壁面であり、他の窓や通路の鏡像に重なって映っていることすらあると証言されている。

これら水面の異常な鏡像は写真などの光学媒体に記録されないようである。ゆえに事実確認が難しいのだが、人間の認知が Level 78 N に対して何らかの異常をきたしている、という可能性が考えられる。

入口と出口

階層への入り方

  • Level 7 N にて、プレイルームの床に埋め込まれた場違いなプールを発見してこれに飛び込むと、いつの間にか Level 78 N のプールの中へ移動している。
  • Level 962 N にて、壁面が次第に屋外の外壁に使用されるような材質へと変化していく場所を進み続けると、気がついたときには Level 78 N の中庭へと迷い込んでいる。
  • Level 295 N で砂丘の中に埋もれた砂岩の下り階段を見つけ、奥から漏れる光を頼りにその先のトンネルを進んだところ、次の瞬間には Level 78 N の中庭で通路を背にして立っていた、という報告が存在する。

階層からの出方

  • 窓から建築物の内部へ侵入すると、窓枠が消失するような感覚と同時に Level 13 N の施設内部へと投げ出される。移動先は施設内の部屋や廊下であり、一階の窓から侵入した場合は施設の一階、二階の窓から侵入した場合は施設の二階へ移動する。
  • 自分自身の影がプールの対岸で佇んでいるのを水面に見た直後、Level 736 N へ外れ落ちたという報告が存在する。
  • 二階の窓の様子を確認しようと植木をよじ登ろうとしたところ、木に掛けた足がすり抜けて Level 720 N へ外れ落ちたという報告が存在する。
特に明記しない限り、このページのコンテンツは次のライセンスの下にあります: Creative Commons Attribution-ShareAlike 3.0 License