クレジット
タイトル: Level 65 N - "隣が丘ハウジングギャラリー"
著者: Hoojiro_san
作成年: 2026
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Level 65 N で戸建て住宅を撮影した写真。
Level 65 N とは、バックルームにおける 65 N 番目の階層である。
概要
Level 65 N は、日本国内の住宅展示場に酷似した空間に戸建て住宅が数えきれない程に立ち並ぶ階層である。階層内の時間帯は現実世界の日本とほぼ完全に同期しているが、気温は摂氏20℃から一切変わらず早朝深夜問わず半袖でも心地よい環境を保っている。一方で天候は酷く不安定であり1週間晴天が続いていたと思えば5分で全天が雲で覆われ曇天が広がったという報告さえ存在する。
階層内はアスファルトではなく真砂土舗装の歩道で碁盤の目状に区切られており、後述するブースが存在する広場以外極めて単調な光景と戸建て住宅がどこまでも連続している。戸建て住宅の周りには低木の他にも現実世界に存在する住宅メーカー名を冠する広告があり、のぼりや懸垂幕にエアー看板など様々な形態のそれは偶に吹く弱々しい風に揺らいでたなびいている。
食糧が確保可能であり戸建て住宅に居住可能なように見える点から長期滞在が可能な階層に思える。しかしながら実際は後述する理由により放浪者が侵入可能な領域は路上に限られ、必然的に路上生活を強いられる点には留意すべきである。
戸建て住宅
階層内で普遍的に見られる新築の一軒家である。住宅の外観は一意のようであり、他の住宅との重複は確認されていない。時折ベランダに生活感溢れる洗濯物が干されていたり、煌々と照らされた室内を窓から覗けば住人らしき実体の家族団欒が窺えたりと表札が外されていることを除けば住宅展示場には似つかわしくない住人の息遣いがハッキリと感じられ、さながら新興の住宅街のように感じる放浪者も少なくない。
放浪者が施錠されていない窓や玄関を開けてみれば、そこに広がっているのは室内ではなく歩道側の空間であり、そのまま内部に侵入を試みても屋外に退出してしまうという空間的不整合が存在する。それ故に居住空間で溢れた階層でありながら放浪者だけが居住不可能である。
一部の住宅には車道もないのに何故か車庫が付随しており、内部にはナンバープレートが外された新車の普通自動車が駐車されている。車両は施錠されておらず容易に侵入可能な一方で、燃料計は0を示しており運転は不可能である。しかしながら、住宅に侵入が不可能なこともあり休憩や就寝の場として有用である。
展示ブース
遠くから見える Level 65 N の展示ブース。
歩道を歩いていると稀にある程度開けた広場のような空間に遭遇する場合がある。周囲を戸建て住宅に囲まれた展示ブースには、小型のイベント用テントが十数個乱立している。縁日で見られるような卓上焼き機が置かれ、発見時点で焼き鳥やフランクフルトの串が5~10本ほど香ばしく焼かれた状態で放置されている。食欲をそそる脂の匂いが遠くから漂っていれば、それは近くに展示ブースが存在する目安である。これらの食品は摂食しても何ら問題は起きないが、含まれる塩分と脂質から過剰摂取は健康上の問題を招き得るだろう。
備考
- Level 65 N には街灯が存在しないのも相まって夜間は庭の間接照明と窓から漏れる光が夜闇を彩る光景が見られ、これを「幻想的」と表現する放浪者もいるようである。
- Level 65 N で見られる広告は基本的に現実世界に存在する住宅メーカーのものばかりだが、既に廃業している住宅メーカーのものや実在する企業名を捩ったような意図の読めない広告も存在するようである。
- ふと放浪者が空を見上げると遥か上空に極めて大量の風船が集合したようなカラフルな球体が浮かんでいて、目で追っていたが風に流され視認できなくなったという報告が複数存在する。これらは現実世界の住宅展示場で見られるバルーン装飾と推測されるが、地上でのバルーン装飾の発見例は1例のみであり詳細は不明である。
入口と出口
階層への入り方
- Level 50 N の廊下の壁に貼られた住宅展示場を宣伝するポスターに向かって外れ落ちると、 Level 65 N の戸建て住宅の玄関前に到達する。
- Level 91 N を散策していると極稀に脱ぎ散らかされた衣服や付けっぱなしのテレビなどの異様に生活感に溢れた部屋に遭遇することがある。その部屋に入って来た扉を除いた全部の扉は Level 65 N に通じている。
- Level 500 N の遠景を眺めていると偶に団地に紛れて「住宅展示場」とだけ書かれた巨大なポール看板が見える場合がある。この時、看板が見える方向にずっと進んでいると、いつの間にか Level 65 N の路上に到達する。
- 現実世界の日本にある住宅展示場でスタッフと内部を見学していたところ、玄関から外に出た先が現実世界ではなく Level 65 N だったという報告が複数存在する。いくつかの事例ではスタッフや家族などと複数人で迷い込んだという。
階層からの出方
- Level 65 N で「秋知不動産」を冠する広告に囲まれた住宅の窓や扉を開けると、そこには Level 65 N の歩道ではなく残光に照らされた Level 61.7 N の空き地が広がっている。
- Level 65 N の展示ブースに稀に付随する小型の公衆トイレに入って扉を閉めて最低でも1時間以上内部に籠っていると、次に扉を開けた際には公衆トイレの周囲は Level 419 N に置換されている。
- Level 65 N の歩道を埋め尽くすように数十本の通行禁止の標識が設置されている場合がある。立ち並ぶ標識の支柱の隙間を掻い潜って歩道を通り抜けた先は Level 444 N である。

