クレジット
タイトル: Level 410 N - "Gone (and that's why they're beautiful)"
著者: Wanazawawww
作成年: 2024
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2024/05/04 現在まで放浪者による Level 410 N への進入は成功しておらず、本記事の記載内容の事実確認はできておりません。ウィキスタッフの取り決めにより、ステータスを「情報提供待ち」に変更した上で、編集者との連絡が付くか、 Level 410 N に関する新たな確度の高い報告が為されるまで、本記事の編集はロックされます。
Level 410 N は、バックルームにおける 410 N 番目の階層である。
桜。
概要
Level 410 N は、低木の生垣で複雑に区分けされた夜の公園が、どこまでも続く階層である。おおよそ日本の春、 3 月下旬から 4 月初旬の夜の気温と湿度を保ち、階層内の大気は常に寒冷湿潤で、強い風が吹くこともある。空は春の 18 ~ 23 時頃の様相で、全域に雲がかかっており、ピンクから藍色の、見る者に不穏さや不吉さを感じさせるようなまだら模様に見える。
空間はある程度安定しており、実体や危険な物品に関する報告は現在まで存在しない。また、後述の酒類を除く食品や、その他の有用な物品も殆ど存在せず、虫類を含む動物も一切観測されていない。
生垣に沿って、しばしば木製のベンチが設置されている。ベンチには、缶ビールか缶のさくらんぼ味のサワーがよく冷えた状態で置かれていることがあり、これらは飲用可能である。
2024/04 現在、 Level 410 N は、放浪者にとっては安全であると同時に注目にも値しない階層であるという評価が一般的である。物資が潤沢であれば、一時的なキャンプ地としては望ましい。
Level 410 N を散策すると、頻繁に生垣の向こうに桜の木 ( 恐らくソメイヨシノ ) を見ることができる。常に満開で、近くに 1 本のポールライトが立っているため、遠くからでもよく見える。バックルームの桜が何を養分として育っているかに関する報告は現在まで存在しない。生垣を乗り越えることには、必ず抗いがたい強い忌避感を覚えるため、桜がある区画に入ることに成功したという報告は現在まで存在しない。帰ってくることができる者はより稀有である。
桜。
桜の庭
桜がある区画に入ると、ポールライトはいつの間にか消灯している。区画の広さは目測で 20 m × 20 m 程度で、四方が前述の生垣に囲まれているため、脱出に成功したことはない。食品などの有用な物品は殆ど存在せず、虫類を含む動物も一切観測されていない。散策すると、ベンチによく冷えた缶ビールと缶のさくらんぼ味のサワーが置かれていて、さくらんぼ味のサワーを選ぶと、缶ビールは視界外で消失する。桜が何を養分として育っているかに関する報告は現在まで存在せず、桜の木の下には何が埋まっている。
どこでもない場所に行くことができる人間がいて、ビールを舐めるように飲んでいる ( どちらを選ぶべきだったのだろうか ) 。強い風が吹いている。「ゲームのバグを利用して、壁のポリゴンとポリゴンの境目に入り込んでしまう」という説明がよく用いられるが、そこから戻るためには別の境目を探さなければならないのではないだろうか。
どこでもない場所に行くことができる人間がいて、桜の木に接近すると、観測者の半径約 10 m の円状空間の桜の花が急速に散花してしまう。そのため、 Level 410 N の桜の花を至近距離で視認することはできない。
桜吹雪の中に消えてしまったのなら、最初から桜を探すべきだったんだと、この桜を見てようやく気が付いた。
桜。
桜の花
風が強く吹いている。缶ビールと缶のさくらんぼ味のサワーを差し出され、理由もなくサワーを手に取る。桜が散り始める。散ってしまえば元には戻らない。だが、元に戻らないから美しいというのは欺瞞である。
ビールを不味そうに、舐めるように飲むのを眺めている。酔いが回る。どこでもない場所に行くことができる人間がいるのだという。ふと転んだ拍子に、電車が通り過ぎた向こうに、一瞬の桜吹雪の中に、あっと消えてしまうような、という説明がよく用いられるが、行くことができる者は稀有で、帰ってくることができる者はより稀有なのだという。帰ってくることができないがゆえにそこは魅了的で、帰ってこないがゆえに彼らは魅了的なのだという。
欺瞞である。時が経っても風が吹いても散らない桜はなお美しく、迷い路は行って帰れてもなお魅了的で、あっと儚げに去ろうとも、あっと帰ってくる者とこそ、共に道を往きたかったのだ。
何か書き残したかったが、書けることなどなかった。ここに書ききれないほど沢山のことを試した。ポリゴンとポリゴンの境目に意図して潜り込み、辿り着いたこの世界で、方々を探して回った。ポリゴンとポリゴンの境目を再び求めるように、砂山で針を探すように、桜吹雪の中のたったひとひらを信じるように。バグとバグを組み合わせて有用なグリッチを生み出すのは気の遠くなるような行為だった。それも、死と隣り合わせの。幾つかは悍ましく、道理に悖る行為だったことを白状する。だから、ここにはそのひとつも書き記さない。だが、旅路の中で微かな希望が見えた。これを行った者が、もう一人だけいるのではないか。そして推測が正しければ、これが功を奏すのは、希望的観測でも精々二人分。
この先にあるものが元いた世界だとは、どうしても思えない。それに、これが正解であるという確証もない。最善を尽くしたつもりだが、それでも期待は捨てておきたい。
それでも、この道は何処かに続いている。
入口と出口
階層への入り方
階層からの出方
- 生垣の傍に設置されたベンチで眠ると、春、夏、または降雨の様相を持つ階層へ移動する。
- まだ希望を持つことが許されていたなら、共に不味い酒を飲むことができる何処かへ移動する。

