Level 396 N

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危険度: 1
空間信頼性: 安定
実体信頼性: 実体なし1

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Level 396 N

Level 396 N とは、バックルームにおける 396 N 番目の階層である。

概要

Level 396 N は寝室のような環境で構成された階層である。窓から差し込む光によって、部屋全体が青く染まっている。気温・湿度は詳細までは分からないが、少し湿った涼しさが肌を通り抜けるような快適さが感じられる。この階層では「Home」と名付けられたWi-Fiが確認されている。暗号化キーがかけられているが、この階層に到達した段階で手持ちの端末に登録されているため気にかけなくとも良いだろう。外へ続く扉はあるが、今はまだ開かない。

Level 396 N の窓際には、人が2人までなら眠れるであろうベッドが置いてある。ベッドの上には羽毛布団も敷かれており、横になると体を暖かく包み込む。寂しげな空気の中でも、きっと安眠することができるだろう。

Level 396 N の壁際にはオープンラックが置かれている。棚の中では小説や玩具、猫のぬいぐるみなど、暇つぶしに使えそうなものが多く見つかる。することがないのなら、眠くなるまで時間を潰すのも悪くないだろう。棚のいくつかでは、いくつかの食べ物も見つかる。ほとんどは保存食や菓子だが、小腹を満たすにはちょうど良い。

Level 396 N の窓は開かないが、外を眺めることはできる。窓の外に広がる景色はどこか見覚えのある街並み2だが、青く、青く、染まっている。薄く積もった雪と朝靄が溶けきった景色の中、空気は深く澄み渡っていて、まるでどこまでも見通せるようにさえ思える。ただ心惜しいのは、外に出てその冷たさを浴びて、肺を満たせないことだ。

実体

そうやって窓の外を眺めていると、何人かの人影3が歩いて行くのが見える。こんな早い時間から彼らはどこへ向かうのだろうか。仕事か買い出しか、もしかしたら誰かに会いに行くのかもしれない。彼らの行く先は知りもしないが、彼らの今後に思いを馳せる。

ふと木々に目をやると、2羽の小鳥が居たことに気づいた。小鳥たちはハミングを口ずさみながら、のどかに羽を伸ばしている。名も知らない小鳥だけども、どこか羨ましくすら思える。僕も、そうやって君と朝を泳げれば。そんな事を考えていると、気づけば小鳥は飛び立ってしまっていた。

物品

窓を見やりながら、置いてあった水筒に手を伸ばす。蓋を開け、満たされた液4に口を付けた。青臭い風味が口から喉へ抜けていく。バックルームに来てから、何度この味を味わったのだろうか。それでも、今日は飲みなれたそれですら不思議と爽やかに思えた。

外を眺めていて忘れていたが、飲み物を口にしたからか空腹に気づかされる。億劫さに少し悩まされつつ、重い腰を上げてオープンラックに近づく。3段目の右端。バニラ味のエナジーバーを買っておいてよかった。箱を開け、1袋だけを手に取って窓際へ戻る。

エナジーバーを口に運び、口の乾きを青臭さで潤す。外の人達も少し減った気がする。まぁ、こんな時間なのだからしょうがないことだ。眺めるものも無くなってしまったので、置いてあったスマホ5を手に取り、慣れた手つきでロックを解除する。そうして画面下をタップし、チャットアプリを起動した。未読メッセージなんて当然ありはしないけど、それでも連絡が来ないか待つ。それが誰からの連絡かなんて気にもせずに。

現象

いくら待てどもメッセージは来ない。待つことに意味があるとは思えないし、どの道まだ君は夢の中だろう。それでも、一言、メッセージを送る。もちろん既読は付かないけど。もう一度、今度は少し長くキーボードを叩く。名前を打とうとして、自然に動いていた指が止まった。

打ちかけのメッセージを消して、スマホを裏向きに置く。外に目を向けると、前よりももっと、もっと空は青く染まっている。その青が僕を包み込んで、まるで飲み込まれそうにさえ思えてしまう。その世界の中、肌の赤さと息の白さだけが切り離されて。ただ、肌寒さを感じて体が震える。いや、多分そうじゃない。孤独の中で凍りついてしまいそうなだけなのだろう。

……思い出で最初に忘れるのは声だそうだ。僕ももう、君の声を思い出せやしなくなってしまった。それでも、それでもその暖かさだけは覚えている。明るく、それでいて優しい声。もう一度その声を聞けたなら、僕はどれほど幸せだろうか。でも、ここにあるのは冷たい静寂だけだった。

きっともう、君に会うことはできないのだろう。僕が居ない間、君は何をしているのだろうか。あの日と変わりなく、笑っていてくれるのだろうか。もしそうだとするなら、それ以上望むことは無いから。でも、でも欲を言っていいなら、その隣に僕が立っていたかった。君を支えていたかったんだ。

入口と出口

階層への入り方

思えば長い旅路だった。数年前に足を踏み外して黄色い世界へ落ちてから、いくつもの世界を渡り歩いて6。あの時、初めに恐れたのはもう君に会えなくなることだった。君の姿も、君の声も、君の心もまだ知り尽くしていなかったのに……いや、今だから言える。僕は君に忘れられることが怖かった。僕の居ない世界で、君が生きているのがどうしようもないほど嫌だったんだ。

もしかしたらこれはただの自己愛なのかもしれない。君の瞳を通して、自分を愛してるに過ぎないのかもしれない。それでも、それでも、君が好きだ。愛しているんだ。その心に何一つ嘘は無いと断言する。君のためならば、命を投げ出すことだって厭わない。いや、それは少し嫌かも。だって僕は君と一緒に死にたかったのだから。

でも、それはもう叶わない。この孤独の海の中で、僕はきっと死ぬのだろう。何もかもが、無駄になったかのような沈鬱に包まれて。少し、眠ろう。そうすれば、きっと、また、忘れられるから。布団の中に入る。その時。聞き馴染んだ、僕の大好きな声が、聞こえた気がした。

階層からの出方

扉の方を見る。多分、多分だが、気のせいだ。聞き間違いなのだろうと。それでも、それでも、もしかしたら、君にまた会えるのではないか。そう直感が告げる。きっと裏切られるだけだ。この孤独が敷き詰められた空間で希望を抱いても、より大きい失望が待っているだけだ。分かっている。分かっているんだ。それでも、ドアノブに手をかけて。そうして。ドアノブが回った。

気づけば僕は走り出していた。靴を履くのさえ忘れて。でも、そんなことはどうだって良い。君に、君に会えるんだ。この感情がなんなのかさえ分からない。喜びか、驚嘆か、はたまた違う何かか。そんなことも判別できないまま、僕は雪解けの道を走る。

すれ違った人からは奇異の目を向けられた気がしたが、それもしょうがないだろう。ボロボロの服に靴も履かず、ホームレスでももう少し良い格好だ。でも僕には、周囲の目なんて気にしてる暇はなかった。僕はまるで、雪を初めて見た子犬のように駆け抜ける。

君は元気にしているだろうか。辛い目にあってやいないか。今頃になって心配の感情が芽生える。いや、きっと大丈夫だ。だってこれからは、僕が君を守ってあげるから。君は好きに生きたら良い。僕がその後ろを着いていくから。ただ、ただ、僕の道標になってくれ。

足裏が切れ、口からは血が出る。もう痛みは感じない。これからの喜びだけを考えて。ただ君に逢える喜びを、ただ声が聞こえる喜びを、ただ胸に抱かれる喜びを、ただ、ただ噛み締めていたいんだ。

これからの君と僕には、きっと幸せなことだけではないのだろう。それでも、それでも、それでも。2人なら乗り越えられるさ。大丈夫。その言葉は多分僕自身に言った言葉で。

君の瞳だけを考える。君の声だけを考える。君の手だけを考える。君のことだけを、思い浮かべて。あゝ! 君に幸あらんことを! そのためなら僕は、僕は、月にだって行って見せよう!

そうして血の赤と白い呼気が混ざりあって、僕は辿り着いた。目眩で前が見えない。今にも倒れそうだ。もう、苦しまなくていいんだと。いや、君と共に歩めるんだ、と。そうして僕は顔を上げる。そこには、





桜が、咲いていた。











追記 - 考察【"N"の起源】

Level 396 N の報告を含め、バックルームから帰還した旨の報告では放浪者が強い郷愁感や既視感を覚える事が判明しています。また、バックルームでは度々、細部こそ違えど現実世界と同一の景色が確認されます。そこで、バックルームの階層群は放浪者の記憶から再現された空間であるという仮説「Nostalgia」が立てられました。この仮説によって、上記の2件に関しては説明がつきます。

そして今までの報告を鑑み、バックルームからの帰還するためには「自身の記憶から再現された階層」で何らかの行動を起こす必要があると結論付けました。よってバックルーム・ウィキでは放浪者の帰還を手助けするため、各放浪者に対応する階層の特定を行っています。もし特定の階層に対し強く郷愁感を覚えた場合は、ウィキスタッフまでご連絡ください。

⸺バックルーム・ウィキ 管理運営スタッフ AF_XLI

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