放浪者によって撮影された Level 295 N の画像。
Level 295 N とは、バックルームにおける 295 N 番目の階層である。
概要
Level 295 N は、晴れ渡った青空の下に砂砂漠と類似した砂丘が果てしなく続く階層である。階層内で目にする光景は白みがかった無限の砂と極度に緩慢な歩調で昼夜を推移する空によって構成されており、それ以外の要素はほとんど見受けられないだろう。こうした砂が形成しているすり鉢状の地形は時に高さ数十mに及び、風化や侵食を受けることなくその形状を維持している。
階層内では昼と夜がそれぞれ日数換算にして15日近く続くものの、昼夜の気温について激しい日較差は存在せず、温湿度は概ね気温22℃/湿度55%前後で安定している。そのため、砂漠のような光景を有しながらも気候としては日本に近い環境であると推測されている。しかしながら、 Level 295 N では雲の発生やそれに伴う降雨/降雪は一切確認されておらず、また、階層内は一定して無風の空間である。
故に、極端な酷暑/寒冷に対応するための衣服を身に着けておく必要性はないだろう。しかしながら、階層内では太陽光を遮るものが一切ない中でおよそ360時間もの間直射日光に晒され続ける恐れがあり、さらには地表からの照り返しも厳しい。紫外線による皮膚への影響を防ぐためには、地肌が出ないような衣服を着用することが望ましいだろう。
Level 295 N では、紫外線や後述の現象によって放浪者の健康が阻害されるリスクの高さ、強固な空間の安定性による外れ落ちの困難性、発見が容易な確立された出口の少なさ、ソーラー式充電器を持ち込むこと以外で給電が不可能な点など、長期の滞在によって放浪者の身に生じるリスクが複数存在している。不安定ながらもWi-Fiが存在することや一定の飲食料を確保できる見込みがあるため居住が不可能とまでは言い切れないが、安全性を総合的に評価すると侵入や長期滞在の試みは非推奨である。
低重力
この階層で最も特筆すべき点として、放浪者を含むこの階層に存在するあらゆる物質にかかる重力が、現実世界の地球のものと比較して遥かに小さいという点が挙げられる。そのため、慣れない内は歩行をはじめとしたあらゆる動作においてバランスを取るのが難しく、常に転倒の危険性があるため注意が必要である。
この現象最大の懸念点として、放浪者が一歩足を進める度に砂塵が空中に舞い上がってしまうという問題がある。階層内ではこの砂塵が鼻や口から体内に侵入するリスクが常に付き纏い、短期的には花粉症のような症状を、長期的にはじん肺症のような症状1を引き起こす可能性がある。また、気道以外にも目や電子機器の隙間など、この砂塵がありとあらゆる隙間に入り込むという性質が Level 295 N の危険性に拍車をかけている。
そのため、放浪者はなるべく防塵マスクを着用するか、そうでなくとも何らかの布を口元に当てるなどして、体内への砂塵の侵入を最小限に抑えることを推奨する。
青い星
階層の空には太陽や星々のような天体のほか、大きさにして太陽のおよそ4倍ほどの青い惑星のような天体が浮かんでいる。この星の輝きはとても強く、例え階層内の太陽が完全に沈み込んだ夜の時間帯であっても他の天体がほとんど観測できないほどに強い光を放っている。
青い星はほとんど位置を変えずに天球上に固定されており、地平線へと沈むことはない。そのため、階層内ではいかなる地点からでもこの星を目にすることができるだろう。目視による観測の限りではこの星自体もゆっくりと自転しているように思われ、日数換算にしておよそ1ヶ月ほどの周期で満ち欠けを繰り返しているようである。
なお、その表面は宇宙空間から撮影された現実世界の地球に酷似している。
物品
砂
階層を構成する砂。前述の通り肺への悪影響を及ぼす危険性を有しているものの、注意深く嚥下すれば摂食が可能なようである。食味に関しては僅かに甘く、プレーン味のプロテインのような風味がすると報告されている。この砂は生存に必須な栄養素を含んでいると考えられており、砂のみを摂取していた場合でも数週間以上の生存が可能であったとも報告されている。咽頭や気管への誤嚥といった危険性もあり積極的な摂食は推奨できないものの、餓死を免れるためには摂食を試みるのも一つの手ではあるだろう。
また、極稀に"金平糖"のような砂糖の塊が小石のように砂に混じって見つかることがあり、 Level 295 N からの最も安全な脱出方法となるため発見次第に摂食することを推奨する。
オアシス
階層内の窪地で稀に発見される地下水の湧き出すオアシス。この水はとても透き通っており、健康上も問題なく摂取可能であるとされている。ただし、風味については完全に無味・無臭であるとされ、評価は概ね芳しくない。
オアシスのサイズはまちまちであり、大人の肩幅ほどの小規模なものもあれば、周囲を1周するのに数日を要すほど大規模なものも存在する。
砂遊びセット
Level 295 N で発見される砂遊びセット。
階層内で散見される砂遊び用のおもちゃセット。プラスチック製であり、フォークやジョウロなど様々な形態が見られる。特に、砂の摂食やオアシスの水の確保に役立つバケツや、"金平糖"を探すのに役立つフルイを発見した際は積極的に確保しておくと良いだろう。放浪者の中には、オアシスの水と砂をバケツで混ぜ合わせて摂取していた者も居るようである。
砂中から発見されたサンダル。
こうした砂遊びセットが発見される周辺では、砂中に合成樹脂製のサンダルが埋まっていることがある。こうした場合、スコップなどを用いて砂を掘り返せばサンダルを入手することができるだろう。
アクティビティ用品
階層内で極稀に発見されるレジャー用品。いずれも大破したような状態で放棄されている。これまで確認されているものとして、以下のものが挙げられる。
- サンドボード : ベース(板)が真っ二つに折れている。
- セグウェイ : バッテリーが切れており、タイヤが破損・欠損していることが多い。
- ファットバイク : チェーンの破断やハンドルバーの欠損が見られる。
- パラグライダー : 翼が破れているほか、そもそも階層内は無風である。
また、これらのアクティビティ用品に付随するようにして、周辺に飲みかけのペットボトルや帽子、ハンカチといった"落とし物"のような物品が落ちている場合もある。
Wi-Fi
階層内では、微弱ながらWi-Fiの受信が可能である。最もよく見られるWi-FiのSSIDは"Usa69_1-62"であり、パスワードは設定されていない。なお、青い星が新月に近い時ほどWi-Fiの安定性がわずかに向上する傾向がある。
備考
- 前述の通り階層内の砂は風化や浸食を受けない環境下にあるうえ、これまでに階層内で他の放浪者との遭遇は報告されていない。しかしながら、「自分以外のヒトの足跡を発見した」という報告が数件ほど寄せられている。
- Level 295 N で「"青い星"の方向に11年間歩き続けると、現実世界へ帰還できる」という噂が存在する。ただし、帰還者報告スレッドにはそのような報告が存在しないため未検証であり、ましてや"青い星"が北極星のようにほとんど位置が固定されているからといって空に浮かぶ星に近づけるようには思えない点など、噂の信頼性を訝しむ声も多い。
- この噂にまつわる根本的な問題として、その危険性から階層内で11年間生存し続けること自体の困難さがある。例え帰還できる可能性があったとしても生存上の問題がある限り、この噂を信用して Level 295 N を通じた帰還を試みることはウィキスタッフとして推奨できない。
追記
本記事の作成後、" Level 295 N への到達報告"を最後に行方をくらませていた放浪者がおよそ5年ぶりに生存報告を投稿した。添付された画像は階層内で撮影されたものと思われ、当該放浪者は依然として Level 295 N から脱出できていない、或いは意図的に脱出を試みていないと推測されている。以下は、その投稿を引用したものである。
◆Q_hTe3kD5W6D 2023/9/1(金) 03:18:45.17 ID:aSJEQtcimX5TP
295Nで拾ったスマホ2を使って投稿しています。ロックが解除できなかったため初期化することになり、落とし主には申し訳ない……。
長らく報告できていませんでしたが、何とか、まだ生きてます。ただ、呼吸はだいぶ苦しくなってきました。一応対策はしているんですけどね……。久しく歩いて来ましたが、ゴールはまだまだ遠そうです。
でも、行けるところまでは行こうと思います。
それに見てください、これを。
段々と、青が近づいて来ましたよ。
2025年11月現在、この放浪者からこれ以上の報告は入っていない。また、概要に示した通り Level 295 N 内部での長期滞在は健康上のリスクが高いため、決して推奨されない。
入口と出口
階層への入り方
- Level 20 N にやってきた電車に飛び込んだところ、目を覚ますと Level 295 N に到達していたという報告例が存在する。
- Level 109 N で"月"をテーマにした作品を上映する宇宙劇場の非常口に侵入すると、 Level 295 N に到達する。非常口は視界から外れると消失する。
- Level 216 N で変化の直前に出現した"おくるみに包まれたタケノコ"に触れたところ、唐突に外れ落ちて Level 295 N に到達したという報告例が存在する。
- Level 314 N で実体である宇宙服のヘルメットを強引に外したところ、 Level 295 N に外れ落ちたという報告例が存在する。
階層からの出方
- Level 295 N で夜間にのみ稀に発見されるテントに侵入すると、周囲が満月状態の Level 17 N に置換される。
- Level 295 N で稀に発見される"サメの意匠が施された比較的大きなバケツ"を頭から被ると、突如として大量の潮水に押し流されてLevel 58 N へ到達する。
- Level 295 N で極稀に砂に混じって発見される"金平糖"を摂食すると意識が混濁していき、目を覚ました時には Level 112 N へ到達している3。
- Level 295 N で極稀にオアシス上に漂っている浮き輪を下から潜り抜けると、 Level 500 N の公営団地の一室の浴槽内へ到達する。
- Level 295 N で"青い星"の方向に11年間歩き続けると、現実世界へ到達するという噂が存在する。

