Level 270 N
評価: +21+x
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危険度: 1
空間信頼性: 安定
実体信頼性: 実体なし
情報提供待ち

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2012年に投稿。

Level 270 N とは、バックルームにおける 270 N 番目の階層である。

概要

Level 270 N は、科学博物館のような施設を有する空間である。放浪者が当階層に外れ落ちる地点は博物館外部であり、気温が20~30℃、湿度は40~50%ほどの快適な環境が保持され、滞在時間に関係なく空は日没直前を連想させる色合いを呈している。階層の詳細な様子は各放浪者によって異なるが「目の前に芝生を敷き詰めた広場や巨大なプールといった建造物の無い空間が広がっていて、その先に博物館が位置している」という特徴は共通している。

景色の奥に建造物や道路などが視認できる場合もあるものの、放浪者が近づけた例は報告されていない。逆に、どれほど遠くに移動しても博物館との距離は広がらず、放浪者と博物館の距離が一定より大きくならないよう空間全体が変化を繰り返す。

空間内で実体に遭遇することはなく、博物館から漏れ出るヒーリング・ミュージック以外に聞こえてくる音は存在しない。現時点で、博物館に侵入しない脱出経路は確認できていない。

博物館内部

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2013年に投稿。

自動ドアを通り博物館に侵入すれば、すぐに宇宙をモチーフにした展示が目に飛び込んでくるだろう。エントランスにあたる区画が存在しないため、展示順路の途中から割り込んだような感覚を得る。実際、床には展示順路のような矢印が見られることがあるが、配置は明らかに不適切で、これらに従うと堂々巡りになることが多い。だが、分かれ道に近い構造の出現は稀で、長く続いていそうな道を直感に従って歩いていけば、博物館の深部、つまり階層からの出口まで自然に辿り着くことができる。

内部空間はテーマによって区切られているようで、展示物の方向性や区画全体の雰囲気は少し歩くだけで頻繁に変化する。しかし全体としては、青や緑を主体とした鮮やかな色合いによって統一されており、引っかかりの無い滑らかなデザインがそれらのイメージを柔和にしている。また、空気に含まれた若干の湿気と人工的ながら爽やかさを持つ発生源不明の匂いも、内部を一定に漂っている。

ある程度展示物に目を向けた放浪者は、それらが「宇宙」というよりも「人類の生存」という一貫したモチーフに沿って並べられていることに気付く。例えば、太陽系の惑星の紹介では、生存可能性を高めるための天体改造という観点から各星が解説され、生存が極めて困難な星に関しては展示が省かれていることすらある。

木星は水がほとんどありません。よって、その星を操るためには、ほとんどの労力が必要になりました。着目するべきはその空気循環で、あのね、大きさに見合っていないのです。輪は深刻に遡らせる術を持っていて、どう扱うかは確定する必要がありました。綺麗に、見えます。現在は20000人ほどのメンバーが木星の私たちになっています。

「太陽系と私たちの」コーナーにて「木星」の説明

キャプションは全てのトピックに付随しているとは限らず、意図の不明な展示物はよく見られる。例を挙げると、水槽は博物館内のあらゆる場所に設置されているが、説明文によって言及されることもなく、周りの展示物との関係性も見られない。これらの水槽は様々な形・大きさ・展示形態を取り、子犬程度のサイズで直方体のものが部屋の隅に数十個ほど積み重ねてあったり、巨大な球体のものが部屋の中央に浮いていたりする場合がある。水槽内からはどれほど水を回収しても、時間が経つと約7分目までの水は再出現する。ほとんどの放浪者は水槽内の水を摂取しても問題ないと結論付けていることもあり、水分補給の場として適していると言える。

そもそも「水・海」といったコンセプトは博物館内に散見され、壁の中に泳ぐ魚を目撃した場合、それは壁と一体になった巨大なタッチパネルである可能性が高い。タッチパネルに触れると、画面内の魚は触れた点から明確に離れ始め1、しばらくの間寄り付かなくなり、場所によっては同時に音声案内が流れてくる。音声案内は様々な性別・年代と思われる人の声が切り貼りされているように聞こえ、あまり心地の良いものではない。切り貼りには法則性があると思われ、「我々は/ここから/出ていく」のような文節ごとの区切りは最も一般的ではあるが、必ずしも守られるわけではない。

苦しさが/滲む/ある/日/やはり/無理な/星を/残して/やってきました。/水星は/最後の/砦で/あり/実のところ/最も/エネルギーが/当たる/という/側面に/おいては/ずっと/すごかった/よ。/これが/生存できる/ように/できれば/頑張れた/ような/ものも/あった/ものの。/でも/な。/まあ/な。/一番/近いから/なのです。

広い部屋(正確な場所不明)にてタッチパネルより流れた音声

博物館の奥へと進んでいくにつれ、順路は一本道に近くなる。また、展示物のテーマはより具体的になり、これまでキャプションや音声によって行われていた解説は映像が役割を担うことになる。

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2014年に投稿。

映像は基本的に液晶スクリーンやプロジェクターを用いてループ再生されているが、プロジェクターの場合、放浪者や物品が光を遮っても、変わらず本来の投射先に映像が流れ続ける。一般的な壁や天井に映し出されている映像の一部に関しては投射するための機械すら見当たらないこともある。また、放浪者が近づくことで映像が流れ始める場合もよくあるものの、逆に近づくと静止画になるパターンも存在し、そのように発生した静止画は二度と映像に戻らない。

映し出される映像は人工衛星の制作過程や宇宙飛行士が宇宙空間で作業する様子などの人類の宇宙開発に関係するものが大半である。しかし、中には月面に巨大な灯台が建つタイムラプスや、人間の頭に細長い正四角錐が刺さるアニメーションなどの存在しない歴史の描写も多々見られる。タイムズスクエアなどの現実世界における主要な場所のライブ映像と思われるものが紛れ込んでいる場合もあり、人間は一人も見当たらないまま、定期的に青白い光が空間全体を照らしている様相が映されている。

新たな/ワークに/という/色でした。/たくさん/いっぱい/の/時期に/なり/場所では/限界がある/という評価が/たくさん/ありました。/私たちが/どっかの/中に/変わる/必要があった。/例えば/皮膚は/気付かれにくくなり/あせが/再び/に/なるように/なり/て。/しかし/最終的に/不要な/構成品/から/を/捨てる/作業/だ。私が/言いたい/のは/思い描く/ための/中心で/意識/ごと/が/いろんな/たくさん/の/冷たい/モデル/に/入り/なります。/それは/人間の/かた/ちを/しているか/姉/だったり/どう/ぐ/だったり/伝える/ため/だったり/魚/だったり/が。

「そのもの私たちが今」コーナーにて流れた映像2の音声

展示品の中で映像資料の占める割合が大きくなるほど、照明の数は減って、その明度も徐々に低くなっていく。プロジェクターから映し出される映像は相対的に明るく見えるため、順路を追うために注目せざるを得なくなる。しかし、更に進むと映像そのものも少なく、短く、無意味なものになり、この段階において空間は細さを持ち始め、最終的にはまっすぐ伸びた暗い廊下を、等間隔に設置されたパネルの光を頼りに進んでいくことになる。この場所においては足音がひどく響くため、一直線に近い空間であることも相まって多くの放浪者は誰かに追いかけられているかのような錯覚を抱く。振り返って確認しても、パネルが人工物と自然の調和を映し出しているのが見えるだけである。

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2017年に投稿。

その後もただ前に向かって歩き続けると、どこかのタイミングで真っ直ぐな上り階段に辿り着く。明らかに博物館の外観より高くまで伸びており、上からは微細な光が感じ取れる。半ばほどまで上ると、その光が最上段に設置された扉から漏れ出ているものであるとわかる。

放浪者が階段を上りきって少し経つと、扉は自動で開く。

成果を見てほしいです。一つの答えとしてあり、求めていたものとは違うことでもなく、望んでいてやっていて、私たちが決めたのです。守り切ってください。

扉に張り付けられたキャプション

深部

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2010年に投稿。

扉を通過した先は、広大な庭園に繋がっている。一面を埋め尽くす緑色の植物と淡い青色の空との境界には研究機関のような建築物が見え、その手前にはロケットが配置されている。整備された遊歩道や、散水機などの設備から、自然が人工的に管理されている印象を受ける。

これらの光景を目にして、庭園へと一歩を踏み出した放浪者は、違和感を覚えることになる。それは「外気に触れた感覚がしない」というものであり、つまり、温度・湿度・匂いといった指標は扉を抜ける前から変化していないように感じられ、日差し・風などの屋外であることを示す現象は何一つ認識できない。こういった感覚は「未だに建物の中にいるみたい」と報告されることも多い。そして、実際に庭園を歩み進めていくと、一帯に広がった全ての植物が自分の身体をすり抜けていくことに気が付く。

庭園内では、不特定多数の声が切り貼りされた以下の朗読が空間の上部からループ再生されている。

生きて/いく/こと/でした。/全ては/ダメ/であると/早い/フェーズ/で/わかっています/ものの/私たちは/わかっています/逃げたの/でした。/全部/知っていた/の/でした。/最後に/なので/どうにか/向かう/ことが/使命に/なって/意味が/なくなる/ほど/ぶり/返して/いく/ものから/不具合が/出てる/戻れなく/なるもの/が/ありまして/結局の/ところ/わかっています/ですが/それら/は/動かなく/なり/私たちに/ぜんるい/が/あることを/知って/いました/でした。/場所/でした。/私たちは/動か/な/く/なり/たい。/

だから、私たちは地球に戻らなくてはならない。

/ここからは/もう/出る/こと/でした。/どう/ぐ/が/あるはず/なので。/

庭園に入ってから幾らかの時間が経った後、ロケットの方向から群衆が騒ぎ立てるような声が聞こえ始める。それらの声は正の感情によるものにも、その逆によるものにも聞こえる。放浪者がどれほどロケットに近づこうとしてもロケットとの距離は縮まらず、放浪者とロケットの距離が少しづつ大きくなるよう空間全体が変化を繰り返す。

ロケットが視界から消えると、放浪者は地面へと外れ落ちる。

入口と出口

階層への入り方

  • Level 109 N で目を閉じたまま、ヒーリング・ミュージックに耳を傾け続けると Level 270 N に到達する。
  • Level 918 N の消灯時、地上が Level 270 N に置換されている場合がある。

階層からの出方

  • Level 270 N の庭園から外れ落ち、気が付くと Level 536 N の草原に仰向けで倒れている。
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Level 270 N で散見されるイラスト。

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