最もよく知られたLevel 267 N の画像。
Level 267 N とは、バックルームにおける 267 N 番目の階層である。
概要
Level 267 N は、無人の立体駐車場が上下方向に際限なく接続された空間である。天井には剥き出しの鉄骨が何本も張り巡らされており、鉄骨が交差する地点からは床に対して垂直に白い塗装の施された柱が降りている。この階層は異常な階層構造に内包されており、目算での地上からの高さは実際のものと異なっているようで、いくら後述する車両用スロープを下ろうと地上にたどり着くことは決してない。そのため、この階層を脱出するためには後述する特定の方法をとる必要がある。階層内の地面にはいかなるゴミも落ちておらず、塵一つ見つからないほどの極端な清潔さが常に徹底して維持されている。また、外から差し込んでくる太陽光に加え、天井に取り付けられた蛍光灯などが階層内を明るく照らしており、放浪者の視界は基本的に確保されているためこの階層は探索に向いているといえるだろう。
Level 267 N 最大の特徴として、外に繋がっているあらゆる隙間、鉄骨と鉄骨の間からワイヤーフェンスの一つ一つの隙間に至るまで、ガラス製のはめ殺し窓が丁寧にはめ込まれており、完全な密閉空間となっていることが挙げられる。そのため空気循環がうまく出来ておらず、壁や天井・地面の清潔さに反してこの階層内に漂う空気は非常に澱んでいる。これは放浪者の健康を直接的に害するものではないものの、しばしば息苦しさを訴える者まで現れることがある。また、その影響で室温や湿度がやや不均一となっており、室温20℃湿度50%と快適な区画もあれば30℃80%にも及ぶ蒸し暑い区画もあるため、対策を怠れば熱中症や体調不良になる恐れがある。
ガラス窓から見下ろすと、目下には郊外の湾岸都市のような景観が、地平線すれすれの霞んで見えるところまで果てしなく広がっており、立体駐車場の周りにそびえ立つビル群から海の方へ目線をずらすと、立派な港やそこに停泊する漁船、大海原に浮かんでいる小さな船影などを目にすることが出来る。
そこからさらに窓ガラスに近寄り、顔をガラスに押し当てるようにして真下を覗き込むと、都市側の大通りの上に群がる大勢の人型実体が駐車場の入り口へ一斉に押し寄せているのが分かる。こうした実体の多くは見上げながらこちらにスマートフォンやカメラのレンズを向けている。放浪者は探索中、これらの実体の1人と目が合ったり「観られている」とも表される冷ややかな視線を感じたりすることがあるかもしれない。双眼鏡で実体群の様子を観察した放浪者によると、こちらを指差して不気味な笑みを浮かべる子供や老人がいたという。こうした光景を目にしたことで不快感を抱く放浪者も少なくないため、窓ガラスへは積極的に近寄るべきではないだろう。
窓ガラス越しに撮られた写真。周辺に"進入口"らしきものは見当たらなかった。
駐車場
別角度から撮影された駐車場。
Level 267 N のほとんどを占める空間である。階層全域にわたって広範に分布している白い柱の側面には、しばしば「消化器」と書かれた赤い箱が固定されていることがあり、表面に取り付けられたランプが回転しながら光っている様子が確認できる。しかしながら、こうした箱のなかに入っているのは多くの場合使用期限の切れた消火器であり、使用することはできないことに留意すべきである。
加えて、柱の側面には数本に一本ほどの頻度で「B/2F」といったようにそこら一帯の「区画に割り当てられたアルファベット/今いる階」を示すシールが貼ってある。探索中に拠点への帰り道が分からなくなってしまった場合などにとても有用であるため、いつでも帰ってこれるようにあらかじめ拠点の位置を覚えておき、定期的に現在地を確認しておくと良いだろう。また、コンクリート製と思しき地面にはオレンジ色や深緑色のラインが引かれており、区画を整理したり駐車スペースを囲ったりしている直線のほか、「止まれ」「進め」「引き返せ」などの文字が書かれている。
放置された車両
放置された車両。
Level 267 N の駐車場では、放置された車両がちらほら見受けられる。そうした車両はいずれもナンバープレートの内容がバーコードに置き換わっており、ドアにはロックがかかっておらず、中の探索は容易である。中で得られる物品は多く、推奨はしないが、車両の物色を目的にこの階層を訪れる放浪者も現に存在する。具体的には、運転席と助手席を挟んだドリンクホルダーにボトル缶入りのアーモンドウォーター(飲みかけ)やタバコの吸い殻が入っていたり、後部座席やトランク等からは多くのレジャー用品1が入手できるとされる。ただし、キーシリンダーにキーは刺さっていないため、車を走行させることは叶わない。
放置された車両の中には、駐車途中のような位置で停車しているもの2や、走行中に運転手が消えたかのような位置で立ち塞がっていることもあるため、適宜に迂回する必要がある。
車両用スロープ
スロープの入り口。
Level 267 N 内を散策していると遭遇することがある構造である。スロープは上下階へ移動する際に必須で、その長さは20m~50mとまちまちである。傾斜は一貫して緩やかとはいえ数十mも歩くと疲れやすく、熱中症になる危険性も高まるため、必要に応じて車内の座席などで休息をとるべきである。なお道幅も一定ではなく、車両3台ほどは通れそうな道端の広いスロープもあれば、とても車両では通れないような道幅の狭いスロープも少なからず見かけられる。
現象
アナウンス
Level 267 N 内を散策していると時折天井に白いスピーカーが取り付けられていることがある。このようなスピーカーを目にした場合は、付近にある車止めブロックを取り外して投げつけるなどして積極的に破壊を試みるようおすすめする。
その理由は、スピーカーの発見時これらから「オールド・ラング・サイン3」のメロディが垂れ流されていたという報告が数多くなされていることから、スピーカーこそがこの音声の発生源であると考えられているためである。この音声は脳内で響いているのか、自分の両耳を手で塞いでも鮮明に、立体駐車場内はおろか外の湾岸都市全体までにも漏れ聞こえていそうに思えるほどの大音量で聞こえ続ける。しかしどういうわけか、この状態に陥った場合でもスピーカーを物理的に壊せばこれらの問題は解決するようだ。
不定期にどこからともなく流れ始めるこのメロディを長時間聞いていると、徐々に意識が遠のいていく感覚を味わうことが知られており、放浪者によってははっきりとした理由もなく心がざわつくこともあるようである。自分がそうでないと言い張れないなら、スピーカーを見つけ次第破壊しておくべきだろう。また、このメロディの上に日本語らしきアナウンスが乗っかることもある。基本的に口ごもった声なので聞き取れないが、「本日の営業は只今をもちまして終了とさせて頂きます」とだけはっきりと耳に残ることが知られている。
ある放浪者は、スピーカーからメロディが流れ出した際、実体群がどこか狼狽した様子でその場から四方八方に駆け出していくのをガラス越しに目撃したらしい。散り散りになった実体群はそれぞれビルの間を縫って視界の端へ消えていくため、やがては駐車場の入口前から実体が減ってゆき、しまいにはただ放浪者のみを取り残して無人にする。この際、報告者はとてつもない疎外感を抱いたという。
消灯
数時間ほど階層内に滞在し、外も日が沈んですっかり暗くなったころ、突然遠くの方に見えていた蛍光灯の明かりがふっと消えて、続いてその少し手前の明かりも消えることがある。その光景は次々と蛍光灯を闇の中に消していく"何か"の存在を彷彿とさせるようである。さらに、その"何か"は段々と放浪者の方に近づいてきており、放浪者を階層内から追い立てているかのように見える。暗くなってしまったフロアを後にし、逃げるように別のまだ明るいフロアへと移動するという流れを繰り返していると、そのうち放浪者は光る文字盤に"出口"の表示を見るだろう。
出口
「左折」を示す案内表示。
「右折」を示す案内表示。
天井の蛍光灯が闇に消え、一部のフロアが暗くなり始めた段階でもなおこの階層内に滞在し歩き回っていると、出口の案内表示がちらほら見かけられるようになる。案内表示のタイプは多岐にわたり、天井に固定されているものもあれば、車両用スロープのフェンスに立てられた看板もあったりする。
スロープのフェンスに固定された出口の案内表示。
これらに書かれた矢印の向きにしたがって進んでいくと屋上のような空間にたどり着き、最終的に階層移動が発生する。ただし注意しておきたいのが、最終的な目的地は屋上だが、矢印の向きにしたがって進む中でどうしても下のフロアへ降りなければならない場合があるということである。本来向かうべきは上のフロアでありどうしても遠回りに思えてしまうが、出口の性質上したがわなければ矢印が消え、一時的にしばらく目的地にたどり着けなくなるため、否が応でも矢印にしたがうべきである。
またもう一つ注意してほしいのが、一定距離出口にしたがっていると、放浪者のからだに軽度の高山病4に似た症状が現れる点である。
主な症状:
- 頭痛
- 吐き気
- 疲労感、倦怠感
- 立ちくらみ、めまい
- 重度の息苦しさ、呼吸困難
この症状には放浪者が屋上に近づくにつれて悪化していく傾向があるため、放浪者はときどき歩みを止めて休憩することが必要になってくるだろう。やがて個人差はあるものの、スロープを上っている途中でちょうど屋上が見えてきたという時に症状がピークに達し、放浪者はそのまま気を失ってスロープの中腹に倒れ込むことになる5。混濁した意識の中で目を覚ませば、そこはLevel 700 N の広場である。
屋上へ向かう中で、スロープを上っている光景。
備考
Level 267 N 内でふと後方を振り返ったり車両のサイドミラーを覗き込んだりした際に、ショッピングカートのような実体が車両などの物陰に入っていく瞬間を目撃したという報告が現在までに多数上がっている。しかしながら、報告例を見る限り放浪者へ直接的な干渉を行った事例はなく、また遭遇することの稀少さや唐突さからカメラに捉えることには未だに成功していないため、正式に"実体"として指定するべきかどうかについては今もなお議論中である。
入口と出口
階層への入り方
- Level 28 N の水族館や Level 29 N の博物館のガラス展示に触れると、 Level 267 N に到達する。
- Level 177 N の屋外駐車場で、暗いなかポツンと立っている立体駐車場を見つけて軒下に入り、雪が降りやむのをしばらく待っているといつの間にか夜が明け、ガラス張りの Level 267 N に閉じ込められている。
- Level 733 N 内を歩いていると画像のような構造物が見つかることがある。この窓ガラスに触れると、気づいた頃にはガラスは Level 267 N のものとすり替わっている。
Level 733 N 内で撮られた画像。タイルは何故かこの窓ガラスの周りだけ黒ずんでいた。
階層からの出方
- Level 267 N で出口の案内表示にしたがって車両用スロープをしばらく上っていると、屋上が見えた辺りで気を失い、目が覚めた時にはすでに Level 700 N の開けた場所へ移動している。

