Level 180 N
Level 180 N とは、バックルームにおける 180 N 番目の階層である。
概要
Level 180 Nは、霞がかった道路が果てしなく真っすぐに続く階層である。真っ暗な空には星一つ見えず、等間隔に並ぶオレンジの街路灯のみが地面を照らす。気温は20~25℃程度で、高い湿度と無風により、若干の蒸し暑さを覚える放浪者が多い。放浪者以外の音源はほとんど存在せず、誰かから付きまとわれていると勘違いするほど足音が過剰に反響する。道路は「車道」と「歩道」の2つの領域に区分され、当階層に辿り着いた放浪者は最初、車道に位置することになる。後述する現象により、歩道に近づくのは危険であり、車道の中央から大きく離れずに移動することを推奨する。
Level 180 N は霞の影響で前方・後方が想定より見えづらいと感じる放浪者が多く、道がループしているように錯覚することは珍しくない。歩道に連なった住宅を見ながら移動していると、こういった感覚を招きやすくなるため、できるだけ前を向いた状態で移動するのが望ましい。霞は場所によって濃度に差があるようで、「街路灯の光が遠方で一点に重なるのが見えた」という報告から「腕を伸ばしたら手が見えなくなった」という報告まで確認されている。
車道
7mほどの幅で、2つの車線を持つ領域である。部分的にかすれた中央の白線や、補修されていないアスファルトのひび割れからは年季が感じられる。道路脇に停められた車は頻繁に見られ、向きが一定でなく、多くの場合何台か連続して配置されている。ナンバープレートを見る限り、現実世界の各国から無作為に車が集められているように思われるが、約2割のナンバープレートが無地であることは特筆に値する。これらの車が動き出すことはなく、運よく車内に侵入できれば、腐った食料品や空き缶などに混じった、照明器具・ライター・携帯電話といった道具を入手することも不可能ではない。実際、窓の外から車内を覗きこむと、座席の上や足元の空間にこのような物資を確認できる場合がある。しかし、基本的に車のドアは施錠されており、かつ、ガラスを割るのも容易ではないため、道具の収集が目的なら他の階層に移動したほうが賢明だろう。
歩道
車道に面した領域であり、人けのない住宅が隙間なく立ち並んでいる。この領域に2~5秒ほど足を踏み入れ続けた放浪者は、 Level 500 N へと移動する。放浪者にとってこの移動は瞬間的に感じられ、何らかの前触れを認知することはできない。この移動方法は確実ではあるものの、実践した放浪者の多くは、その後に「自分の身体の一部を自分で操作できていない」と表現される錯覚が継続して起こることを報告している。この錯覚には「指が勝手に動く気がする」「歩いていても地面の感触が頭に入らない」「夢に左腕が出てこない」といったものが含まれ、極端になると「なんか、首から下が全部違う」という報告まで存在する。移動が発生する領域が、視覚的に判断できる歩道より少しだけ車道にはみ出ている可能性も指摘されており、安全に階層から脱出したい放浪者は、歩道に近づくべきではない。
こうした現象から建物への侵入は現実的でなく、数少ない試行事例も出入り口が施錠されていることを確認できたのみで、全て失敗に終わっている。窓から光や声が漏れている建物も稀に見られるが、近隣で放浪者が大きな音を立てると、何事も無かったかのように電気は消え、発声は止まり、周りの住宅と足並みを揃える。
備考
- ごく稀に、特定の街路灯の照明が消えたり、点滅したりしていることがある。若干周辺が見えづらくはなるが、気にせずにやり過ごせば問題はない。しかし、こういった街路灯を見た瞬間、何故かとても嫌な予感がしたため、来た道を走って戻った、という例が数件存在する。
- 複数人で行動していた放浪者らの報告により、歩道に踏み入れた際に発生する移動は、他者からだと「完全に動きが静止し、そのままゆっくりと一定の速度で地面に沈む」ように見えることがわかっている。
入口と出口
階層への入り方
- あらゆる屋外の階層において、「車道」とみなすことができる道路や、幅が7mほどある道を進んでいくと、 Level 180 N に到達することがある。
階層からの出方
- Level 180 N を3~12kmほど一方向に進んでいくと、 Level 575 N または Level 303 N に到達する。
- Level 180 Nの歩道に2~5秒ほど足を踏み入れ続けると、 Level 500 N に到達する。危険な脱出方法であり、推奨しない。詳しくは「歩道」の項を参照。

