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クレジット
タイトル: Level 177 N - Dark Paradise: "白闇に揺蕩う記憶"
著者: Hoojiro_san
作成年: 2025
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鉄塔から撮影された Level 177 N の一角。
Level 177 N とは、バックルームにおける 177 N 番目の階層である。
概要
Level 177 N は、雪が降りしきる大小さまざまな屋外駐車場とそれらを取り囲む舗装された道路からなる区画が、さながらジグソーパズルのように敷き詰められた空間が延々と広がる階層である。時間帯は永遠に夜のままであるが、雪雲に覆われた漆黒の夜空に月や星はなく、代わりに雪の積もった暗い地面を等間隔に並ぶ白とオレンジの街灯の光が水玉模様のようにポツポツと照らしている。降雪は時折1~2時間程度ピタリと降り止んだかと思えばすぐに降り始めるものの、地表を覆う積雪は一定であり20cmほどを越えることはないようである。後述する実体が走行した後の轍は雪が融けて滑りやすくなっており、実体への警戒を含めて階層内を移動する際は注意が必要である。
Level 789 N からこの階層に外れ落ちた時に放浪者は強い眠気に襲われていて瞼を開けるのも億劫な状態に置かれていると自覚する。小刻みに揺れる体と走行音から自分が暖房の効いた走行中の車内の後部座席に座っていると気づくだろう。運転席に不明な存在の気配を感じるものの、起きようと思っても数分で眠気に負けてしまい調べることは叶わない。数分か数時間かも判断できない微睡みから覚めると、駐車場に駐車された車内の後部座席にシートベルトを締めた状態で取り残されている。暖房の効いた車内とは裏腹に、施錠されていないリアドアを開けて外に出れば約2℃の冷え切った冬夜が広がっており、車外での長期活動は低体温症のリスクを伴う。屋外は無風であり体感温度が下がることはないが、停車中の車内を次から次へと巡り暖を取りつつ、物資を補給しながら出口を探すことが望ましい。
無人車
階層内では至る所に無人の普通自動車が存在する。静寂に包まれた雪原に走行音を響かせながら駐車場に併設された車道を徐行運転する車両は、その速度から回避自体は容易であるが追突されないように駐車場を移動する際は周囲に注意を払いながら移動すべきである。駐車された車両は施錠されておらず侵入自体は容易であるが、長期間放置された車内は冷え切っており暖房や車内灯も付かない。また、車内にある物品は足元に落ちている空き缶や煙草の吸殻、不明な神社のお守り、使いかけの潰れたティッシュ箱程度であり有用とは言い難い。対して一部の車両は発見時点で車内灯と暖房が稼働中で温かく過ごしやすく階層内で休憩や就寝を行う拠点として適している。また、これらの車両の後部座席には必ず物品が1つ放置されている。現在までに箱に入ったホールケーキやフライドチキンなどの食料、未開封の1.5L入り清涼飲料水などの飲料水、包装紙に包まれた新品の衣類や防寒具などのプレゼントらしきものなど有用性の高い物資が確保できる。
公衆トイレ
道路からほど近い場所に位置するコンクリート造りの公衆トイレ。洋式トイレと洗面所が1基ずつあるだけの簡素な男女共用トイレであり、概ね清潔で用を足すには問題ないが、トイレットペーパーの残りがほとんど無かったり固形石鹸が欠片しか無いことが多い。洗面所からは凍結寸前の非常に冷たい水しか出ないので注意が必要である。水は水道水のカルキ臭さが一切感じられない雪解け水のような透き通った味であり飲用に適している。
Level 177 N で撮影された鉄塔。
鉄塔
階層内では鉄塔がポツポツと聳えている。駐車場内の空き地らしき空間に存在しているが、侵入防止柵に囲まれておらず代わりに雪に覆われた低木の茂みに囲われているだけであり簡単に侵入できる。鉄塔同士は電線で繋がれているようであり、極稀に2本の鉄塔が隣り合ったり逆に次の鉄塔が発見できない程に遥か遠くても電線は繋がっているようである。内側には稀に鉄製の螺旋階段があり鉄塔に昇ることが階層からの出口となっている。しかしながら雪の積もった急傾斜の階段は滑りやすい上に手すりこそあっても非常に冷たく掴むことにも注意が必要である。手すりは素手ではなく、車内で手に入れた手袋や布類ごしに掴むと冷えずに済むだろう。
備考
- 駐車場に敷設された道路にはゲート式自動精算と信号機が設置されているが、実体がそれらに従いながら走行している様子は見受けられないようである。
- 長期間同じ車両で寝泊まりしていた放浪者が、最初は自身のいる駐車場には車が1台しか無かったのに、道路を通って流れ込んで来る実体によって、いつの間にか満車になっていたという報告例が複数存在する。
入口と出口
階層への入り方
- Level 789 N の塔から十分に離れた草原を歩いているときに、突如として足を踏み外したかのように視界が沈みこみはじめ、目の前が完全に真っ暗になったのち両足が完全に地面から離れて落下する感覚を味わい続けることとなる。しばらくして、目の前が真っ暗なのではなく自分が目を瞑っていることに気付き、Level 177 N の車内にいる状態で眠気を覚えている。
階層からの出方
- Level 177 N にある鉄塔に付随する螺旋階段を登った先にある足場に立って空を眺めると、地上では見えなかった巨大な満月が真っ暗な夜空に浮かんでいる。その満月をじっと見つめているとそのまま外れ落ちて、気づいたら Level 59 N のレストランで喫食している。
轍はどこまでも続く。

