放浪者により撮影された Level 133.1 N の画像
Level 133.1 N とは、バックルームにおける 133.1 N 番目の階層であり、 Level 133 N の副次階層である。
概要
Level 133.1 N は廃れたショッピングモール内を連想させる通路が時折交差しながら水平方向に延々と続いている階層である。天井に等間隔に設置された業務用エアコンはいずれも電力が通っておらず、階層内は常に"肺に溜まる"ような湿気で満たされている。室温は15℃前後で安定しているが、湿度の関係から体感気温は大きく異なる印象を受けるだろう。この階層の侵入報告は総じて「Level 133 N で大通りから外れた通路を通った際にいつの間にか到達していた」との報告によるものであり、それ以外の入り口は発見されていない。
Level 133.1 N の内装は Level 133 N を基盤としているようであり、しかしながらどこか荒廃し閑散とした印象を受ける空間となっている。Level 133.1 N 内の通路では度々迷子放送を連想させる放送が階層全体に響き渡り、これが聞こえたという事は貴方が Level 133 N から Level 133.1 N に迷い込んでしまった決定的な裏付けとなる。
通路の左右には一見複数の店舗の看板が点々と立ち並んでいるように見えるが、店舗にはもれなくシャッターが降ろされており、その中は空きテナントとなっている。通路上方の照明が常に直視できない程の光を放っているのと対照的に、窓から見える外の様子は深夜帯を彷彿とさせる完全な暗闇となっており、至る所に施設外に接する窓や扉はそのどれもが固く施錠されている。
Level 133.1 N の館内放送は似通った声質がいくつにも重なり合って聞こえ、決まって自身の背後から眼前へと通り過ぎるように通路内へと響き渡る。通路を埋め尽くすかのような反響から放送の全文を把握する事は非常に困難だが、放送の文言が必ず「ご来店のお客様にご案内申し上げます。」から始まっている点は全ての証言で一致する情報である。 Level 133.1 N の通路を探索する間、この放送は事ある度に耳にする事となるだろう。
階層構造
Level 133.1 N 内で繰り返し配置されている一般的な通路
Level 133.1 N の移動は構造がループしている狭く入り組んだ通路と、それらの通路が合流する大きく開けたセンターコートとを交互に繰り返して進む形になる。センターコートには決まってイベントブースのような物が設置されているが、照明の多くはスイッチが入っていないかガラス部分がひび割れており、周囲にはのぼり旗を支える支柱だけが残されている。
ループしている構造の通路では同じ方向に進み続ける事で別のセンターコートへと移動することができる。とはいえ構造がループするまでの区間は通路によってまちまちであり、階層の内装自体同じような通路が繰り返される事から次第にループ回数を把握する事が困難となるケースも散見される。ループ構造は運が良ければ3回の反復で抜け出す事ができるものの、酷い場合では62回の反復が観測された事例も確認されている。
自動販売機
ループする通路上では稀に、主階層に設けられている物と同一デザインの自動販売機が中心に列を成すように設置されている場面と直面する事がある。これらの自販機は互いに隙間無く設置されているために通路の手前か最奥のどちらかからしか内容を確認する事ができないものの、記載された料金を投入すれば確実にラベルのない缶が提供される。
缶の内容物はまばらに粉砕されたスナック菓子や鉄の風味が混ざったアーモンドウォーター、油で揚げられた熊の人形が変形する程無理やり詰め込まれた物など多岐にわたり、ボタンの位置や購入回数によるパターン性は確立されていない。また、放浪者の一人が自販機を無理やり解体した所、内部には商品を正面から撮影した写真がプリントされた厚紙が無数に詰め込まれているだけであった。
シャッター
柵状のシャッター
階層内で幾度も目にする事となるであろう通路とテナントとを隔てるシャッターにはロックのような物は掛かっておらず、健康体の成人であれば容易に持ち上げる事ができるだろう。シャッターの先の光景は大きく分けて以下の3つに分類される。
- 半開きのまま放置されたシャッター - 空きテナント。稀に窓や非常扉が施工されているが窓の外の景観は異常なまでに不鮮明であり、非常扉にはドアノブ、丁番、扉と壁の隙間等が存在せず、開放する事は叶わない。
- "空きテナント募集"の張り紙が貼られたシャッター。 - 空きテナント。中には空のコップ、水が零された跡、壁面にクレヨンで描かれた落書きの他に、表にはアルファベットが、裏にはアルファベットに対応したイラストが印刷された木のパネルが乱雑に放置されている。アルファベットの印刷は摩擦により薄れ、イラストは様々な色のクレヨンで輪郭を上から何重にもなぞられた跡が見られるほか、舐めると空腹感が少し和らぐ事が報告されている。
- 完全に閉じられた柵状のシャッター - 向こう側には大まかにカウンターの体裁を成したテーブルが備え付けられている以外には何もなく、商品棚すらないその奥には暗闇が広がっている。シャッターの奥に侵入した場合30歩程で境界がわからなくなる程の暗闇となり、それ以上の進行は暗闇の中で方向感覚を失う危険性を伴う。
このような事態に陥った場合の唯一の対処法はその場に留まり迷子放送に耳を傾ける事だ。放送の聞こえる方向に歩みを進めると、1分足らずで通路に繋がる開かれたシャッターを発見する事ができる。
奇妙な事にシャッターを調査していた放浪者の多くは開放されたままのシャッターの数に比例して、放送の音が反響する音に過敏に反応している。具体的には全ての音がシャッター奥の暗闇へと吸い込まれていく感覚に対してそこに向かって重力が働いているような錯覚に陥り、深刻な場合では他の階層に出た後でも「今にでもこの場所から外れ落ちてしまいそうな不安感」を抱き続ける事となる。この影響の程は定かではないが実際の傾向として、ほとんどの放浪者がシャッターを元通りに下げた後で他の階層へと移動している。
総じて、Level 133.1 N 内で運営中の店舗は存在していない物と考えられ、この階層から脱出するにあたって、シャッターを上げる行為が意味をなす事はそれほどない。
キッズスペース
放置された遊具とキッズスペース
前述したループ構造を進む中で時折、通路の中心に置かれた小規模のキッズスペースやアミューズメント遊具が設置されている事がある。これらは警告テープが粗雑に巻かれ閉鎖されている状態で発見される。警告テープに粘着力は一切なく容易に退ける事が可能だが、塗装の剥げやテープの粘着力でなんとか形を保っている装飾など、大人が体重をかけると簡単に壊れてしまいそうな印象から遊戯に適しているとは到底言えない状態となっている。
キッズスペースの存在する区間に滞在していると、重なり合っていた店内放送のズレが徐々に収まり、「◯歳くらいの男の子で」、「◯と◯色の洋服をお召しになっており」といった1フレーズが突然明瞭に聞き分けられるようになるタイミングが度々訪れる。この際、過去の自分が現実世界で迷子になった時の情景が想起されたといった旨の報告が数多く挙がっているが、放送の内容は至って限定的な内容ではないため、無数の放送内容から偶然自身の体験の記憶が呼び起こされただけに過ぎない物と考えられる。
入口と出口
階層への入り方
- Level 133 N で大通りから外れたルートを進み、店内放送を待つ事で到達できる。一方、遊具が置かれた廊下・店舗を介したルートを積極的に通った放浪者や、精神影響に従った放浪者が Level 133.1 N に到達した事例は報告されていない。
余裕があるならば暫し休息として遊んでみるのも良いかもしれない。
階層からの出方
- 稀に通路の側面に壁の色と同化した無機質な扉が見つかる事がある。僅かな隙間からエンジンオイルの臭いがした場合、扉に自身の体重を預ける事で Level 960 N へと外れ落ちる。
- 通路が互いに交わる十字路の中心にイベントスペースに代わって、天井へ向かってエスカレーターが伸びている事がある。これに乗り込むと、降りた際には既に Level 860 N へと到達している。
- 空きテナントの中で眠りに落ちた際、 「悪夢」 へと迷い込んだとの報告が、単なる偶然と見るには不自然な数挙がっている。部屋を出ようとする行為は推奨されない。

