Level 122 N の場内教習コース
Level 122 N とは、バックルームにおける 122 N 番目の階層である。
概要
Level 122 N は、日本国内の指定自動車教習所に設けられた場内教習コースと、その付属施設に類似する空間である。空は常に厚い雲に覆われており、周囲は日没直後のような薄暗さに保たれている。雨が降った形跡はないものの、アスファルトの表面は薄く濡れている。
コース内には信号機、踏切、坂道、S字、クランク、方向変換用の区画などが一通り設置されている。白線や標識には補修の跡があり、路肩には水の溜まった古いタイヤや折り畳まれたカラーコーンが残されている。信号機と踏切警報機は通常通り作動しているが、踏切の線路はコースの両端で途切れており、遮断機が下りている間も列車が通過することはない。
同様の教習コースは金網や植え込みを挟んでいくつも連なっている。各区画には二階建ての校舎、配車場所、屋根付きの待合所、送迎バス乗り場が付属する。校舎内で利用できるのは一階のロビー、待合室、トイレのみであり、教室や事務室の扉は施錠されている。床は清掃された直後のように湿っており、掲示板には入校案内や検定予定表が貼られているものの、日付と人名にあたる部分は空欄である。
道路や建物の配置そのものは変化せず、一度作成した地図はその後も使用できる。ただし、地図上の位置関係が同じであっても、二地点間を移動する際の実際の距離は一定しない。この性質のため、外見上は隣り合っている区画へ向かうだけでも数時間を要する場合があり、階層全体の広さは判明していない。
教習時限
校舎や待合所の時計は正常に進んでいるが、時刻とは無関係に二種類の状態が繰り返される。教習車がすべて配車場所に停車している状態は、便宜上「休止中」と呼ばれている。この間は場内が静かで、踏切警報機の音と遠方の換気扇に似た音だけが聞こえる。
休止中にチャイムが鳴り、場内放送が技能教習の開始を告げると、停車していた教習車の前照灯が一斉に点灯する。続いて数台から数十台の車両が無人のまま発進し、それぞれ異なる経路を走行し始める。この状態は「教習中」と呼ばれ、おおむね50分前後継続する。
教習中の車両は信号や一時停止を守り、意図的に放浪者を追跡することもない。障害物を認識すると減速または停止するため、距離の変動が起こらない限り、放浪者が車道から退避するだけの時間的余裕はある。しかし、後述する距離の変動が起きた場合は制動が間に合わず、衝突することがある。普通乗用車のほかに中型トラックや送迎用のマイクロバスも確認されており、これまでに複数の重傷者と死亡者が出ている。
全車両が配車場所へ戻ると、次の放送が流れる。
ピンポンパンポン。本日の技能教習はすべて終了いたしました。教習生の皆様は、お忘れ物のないようお帰りください。
放送の後はコース照明の大半が消え、場内は再び休止中となる。ただし、数分から十数分ほどで次の技能教習を告げる放送が流れることが多く、この放送を危険が去った合図と見なすべきではない。
距離の変動
教習中は、交差点や白線、停止位置といった固定物の間にある距離が伸縮する。景観や道路の形状には変化がなく、離れた場所から見た位置関係も変わらない。それにもかかわらず、同じ直線区間を通過するために必要な歩数や車両の走行距離は、その都度異なる。
変動は教習開始直後に集中する傾向があるが、その後も予告なく発生する。距離が伸びた区間では、すぐ近くに見える歩道や安全地帯へなかなか到達できない。反対に区間が縮むと、遠方を走っていた教習車が短時間で接近する。車両自体が加速した形跡は見られないが、警笛や走行音が衝突の直前まで届かないこともある。
同じ集団にいた放浪者が別々の区間に入ると、互いの姿を確認できたまま声だけが届かなくなる場合がある。多くは教習終了後に合流できるが、長く伸びた区間から戻れず、そのまま消息を絶った例も存在する。歩道、校舎内、待合所、縁石で区切られた安全地帯では距離の変動が確認されていない。
物品
教習原簿
受付窓口の原簿棚から、青色または緑色のビニール製バインダーが見つかることがある。氏名、顔写真、教習期限などの欄はすべて空白である一方、教習開始のおよそ10分前になると、次に使用される車両番号と走行コースがいつの間にか記入されている。
原簿に挟まれたコース図には、次の教習中に距離が縮む可能性の高い区間が黄色い線で示される。記載は実際の変動と概ね一致するが、線のない区間でも距離が縮む場合がある。教習終了後に線と記入内容は消え、階層外へ持ち出した原簿には新たな情報が現れなくなる。
その他の物品
待合室の自動販売機からは、水、茶、清涼飲料水などを入手できる。販売されている飲料に異常は確認されておらず、硬貨を入れなくても商品選択ボタンを押せば一本だけ排出される。一度利用した自動販売機は、次の教習が終了するまで商品選択ボタンが反応しなくなる。商品が補充される様子は確認されていないが、在庫が尽きた例もない。
校舎内や停車中の車両からは、反射ベスト、誘導灯、停止表示板、救急箱、消火器なども回収できる。いずれも現実世界にある同種の物品と変わらない。食料は発見されていないため、長期間の滞在には向かない。
Wi-Fi
校舎のロビー、待合室、送迎バス乗り場では、"DS_GUEST" というSSIDのWi-Fiを利用できる。パスワードは設定されておらず、接続時に表示される画面で「ゲスト接続」を選択すると、インターネットへ接続できる。画面上部には常に「本日の教習は終了しました」と表示されているが、通信機能への影響はない。
通信速度は安定しており、文章や画像の送受信、音声通話に支障はない。教習開始の放送が流れると一度切断されるが、放送終了後、ほどなくして再接続できる。教習コース上ではSSIDが表示されても接続できない。
備考
- 教習開始の放送が聞こえた場合、最寄りの歩道か安全地帯へ移動し、前照灯が消えるまで車道に立ち入らないことが推奨される。
- 反射ベストや誘導灯を使用しても、距離が縮んだ区間では教習車の停止が間に合わないことがある。
- 教習車や校舎の内部を含め、現在まで実体は確認されていない。無人の車両が動作する原理は判明していない。
入口と出口
階層への入り方
- Level 40 N で「技能教習中につき徐行」と記された道路標識のある分岐へ進み、突き当たりの教習車用ゲートを通過すると Level 122 N に到達する。この分岐が出現する条件は判明していない。
- Level 82 N の大通り沿いで、自動車学校の校章だけが描かれた臨時のバス停を見つけることがある。その停留所に到着する白いマイクロバスに乗車すると、Level 122 N の送迎バス乗り場へ移動する。
階層からの出方
- 教習終了の放送後、送迎バス乗り場に行先表示のないマイクロバスが停車することがある。乗車して扉が閉まるまで待つと、次に扉が開いた際には Level 82 N の大通り沿いに到着している。バスは出現後、短時間で発車する。
- 配車場所に「高速教習」と表示された教習車が停車している場合、その後部座席へ乗り込むと無人のまま走り出す。車両は外周ゲートを通過し、数分後に Level 40 N の路肩で停車する。

