―― Level 12 N 内を写した、現状、唯一の画像
Level 12 N とは、バックルームにおける 12 N 番目の階層である。
概要
Level 12 N は日本の住宅街に似た空間である。しかし、その規模や詳細はほとんど判明していない。次に述べる現象の影響により、放浪者の滞在がごく短時間となる傾向にあることがその原因である。
Level 12 N には、到達した放浪者に対し、当該階層内の特定の場所へ向かいたいという強い衝動を喚起させる作用があるようだ。また、この衝動は非常に強力であり、意識的に抗うことは極めて難しいと思われる。実例として、ある放浪者は階層到達時に両脚に深い裂傷を負っていたにもかかわらず、止血よりも移動を優先し、這いずって目的地へ向かったと証言している。
なお、この「特定の場所」は共通して木造アパートの一室であり、階数、部屋番号も一致している。しかし、当階層に到達した放浪者らはこの木造アパートに関して、皆一様に、訪れたことはおろか過去に目にした覚えすらもないと述べている。その一方で、彼らは木造アパートの外観、および、そこへ至るための道順を明瞭に把握していると主張した。なお、彼らの証言を元に地図を作成する試みは失敗に終わっている。これは、報告された道順が各人によって大きく異なっていたためである。おそらく、当階層の空間は非常に不安定であり、件のアパートの所在、もしくは街自体の構造が一定時間ごとに変動しているものと推察される。
先述した現象の原因、あるいは強い関連があると考えられる事象として、次に述べる音声がある。これはやや音割れした町内放送らしき音声であり、内容は児童に対し帰宅を促す旨のものである。「家路」をBGMとして、女性のものと思われるアナウンスが 3 度繰り返される。当階層へ辿り着いた放浪者は、一例を除き、共通してこの放送を耳にしており、加えて、その直後から先に述べた現象を体験したと証言していることから関連が疑われている。なお、スピーカー等の音源は確認されていない。
また、「階層からの出方」の項を参照して分かるとおり、このアパートの一室に侵入するという行為は、そのまま当階層からの脱出手段となっている。つまり、放浪者は到達直後から別階層への移動行為を強制されるのであり、これが冒頭で述べた当階層での滞在時間が極端に短くならざるを得ない理由である。このような事情により、Level 12 N の情報、特に空間の外観に関するものは極めて乏しい。しかし、わずかながらに寄せられている報告により、次の 2 点が大きな特徴として判明している。
まず 1 点目は色彩についてである。一部の例外を除き、この階層の外光は強い赤みを帯びているようだ。当階層内での視界は、放浪者の証言によれば「赤いセロハンを透かして見ている」かのようであり、夕焼け、朝焼け等の現実世界での自然現象と比べてかなり不自然に感じたという。続いて、 2 点目の特徴は看板等に表記された警告である。Level 12 N では通常の注意看板や標識のみならず、商店の看板から家の表札に至るまで、およそすべての看板および標識類に後述する警告が表記されている。警告の内容、デザインはおおむね共通しており、多くは白地に赤のゴシック体で「注意」「ご注意ください」等の文言が大きく書かれただけの簡素なものである。また、イラストなどといった補足情報となるものも付されてはいなかったという。具体的には、現実世界で見通しの悪い十字路等に設置されている「飛び出し注意」等の看板を想像するとよいだろう。なお、注意すべきものが一体何であるのかについては一切の記述がないため不明である。
実体
Level 12 N では前項で述べた事由から、実体に関してはその姿や敵対性はおろか、そもそも存在するのかということすら判然としていない。かろうじて、その存在を示す形跡については証言が寄せられているものの、あまりに断片的かつ情報量自体も少ないのが現状である。このような事情から、無理に情報を統合した場合、かえって実像と乖離する可能性が高いと判断したため、ここでは実際に寄せられた証言を一部要約し以下に列挙するのみとする。
・猫か赤ん坊のような鳴き声が聞こえた。かなり激しかった。アパートの部屋に入る間際ぐらい。
・遠くの方から低いうめき声がした。おそらく男。
・人の足音が聞こえた。かなり大勢のものだったように思う。
・大きな何かがバタバタと暴れるような音がした。
・ドアを閉める直前、遠くの坂の下辺りに何かの塊が見えた。全体的に黒っぽく、所々が白っぽかったり赤っぽかったりした。
なお、前項で述べた警告と実体との関連については不明である。
物品
- 記録なし1
追記
本記事の作成後、当 wiki の掲示板に Level 12 N に関連するものと思われる投稿が寄せられた。なお、記事冒頭に掲載した画像は、この投稿に添付されたものである。これまでの放浪者による証言と異なる点がみられることから、おそらくは Level 12 N の副次階層と思われる。 画像中の右下に写り込んだショルダーバックについて、過去に Level 12 N へ到達したことのある放浪者より、己が当該階層にて破損のためやむなく遺棄したものと、物品の外見、遺棄場所共に酷似しているとの報告があがった。この事から、当 wiki ではこの階層を副次階層ではなく、特殊状況下にある Level 12 N として扱うものとする。
なお、この特殊な状況下にある当階層については、件の投稿内容がその様子を端的に表しており、また、残念ながら、現時点においてはこれ以上の情報が得られていない。そのため、本項では寄せられた投稿を引用することで解説に代えさせていただく。
すみません質問です
今いるところ 12 N だと思うのですがウィキに書いてあるのと違います
全体的に青っぽいです。青くて、アナウンスもしばらく待っているのですけど聞こえません。どこにいけばいいのとかも分かりません。
私どうすればいいですか
入口と出口
階層への入り方
- Level 12 N への確たる到達方法は未だ発見されていない。
しかしながら、現時点までに到達した者に共通する要素として、到達直前に交差点、もしくは交差点と類似した構造物の付近にいたことがあげられる。また、関連は不明なものの、到達する寸前、全員が激しいクラクションを耳にしたと証言している。
階層からの出方
- Level 12 N 内に存在する木造アパート 2 階の階段を上がった一番手前の部屋に入り、扉を閉め、再び開けるとLevel 500 N内の団地の一室に繋がっていたという。なお、繋がる部屋に規則性はみられず、ランダムであると思われる。

