Level 111 N 内で撮影された画像
Level 111 N とは、バックルームにおける 111 N 番目の階層である。
概要
Level 111 N は、大学受験予備校の校舎内に似た空間が延々と広がる階層である。気温は常に低く、長時間滞在した場合には低体温症に注意が必要である。設置されている照明は一部が点灯しているものの弱々しく点滅を繰り返すもの、あるいは完全に故障しているものも数多く確認されており、階層全体としての視認性は比較的低い。
教室内には通常の予備校と同様に多数の机と椅子が設置されているが、人の気配は全く感じられない。窓から見た外は深い霧に覆われているように見えるが、全ての窓枠の鍵は赤茶けて錆びついており、開放は不可能である。
この階層に到達した場合、最初に目に入る教室は整然としたものである。机や椅子は規則的に並び、特筆すべき異常は確認されない。しかし廊下を進むにつれ、その配置にはわずかな乱れが生じはじめる。間隔は不均等となり、向きも揃わなくなる。やがて、フジツボや貝がびっしりと付着した椅子が出現するようになるが、それらは周囲の什器と連続して存在しており、どの時点から異常であったのかの判別は困難である。また、足元には、出所不明の海水がわずかに滲み出していることが確認されている。
ある程度進行すると、点灯している照明は白色から徐々に青みを帯びはじめる。この変化は緩やかであり、直ちに異常として認識されない場合が多いが、一定距離を進んだのちに振り返った際、明確な差異として知覚されることが多い。照度そのものに大きな変化は見られないものの、色調の偏りにより空間全体は淡く沈んだ印象をしていると報告されているほか、この頃には足元の湿潤は、歩行時にわずかな抵抗が生じる。多くの放浪者は、この段階において自らが海中にいるかのような感覚だったと報告している。
さらに進んだ地点にある教室では、什器に著しい劣化が確認されている。金属部分は全面にわたって錆びつき、表面は粗く崩れ、原形を留めないものも確認されている。木製部分に関しても腐食が進行しており、触れた際に崩落する危険性がある。これらの劣化は単なる経年変化としては説明がつかず、長期間水中環境に曝されていた場合に類似する状態を示している。また、階層内の環境全体も同様に変質しており、音の伝播や距離感に歪みが生じるとの報告がある。
階層内に存在する後述の給湯室などの水洗設備は使用可能であるが、流れる水は全て生臭い海水であるため、飲用や手洗いでの使用は推奨されない。
給湯室
廊下
廊下を進行していると、稀に給湯室へ到達する場合がある。
給湯室は現実世界のものとほぼ同一の構造を有するが、室内には潮臭さが充満しており、床面は常に湿潤している。ポット内部には海水が満たされているため使用は不可能である。
また、棚や電子レンジ内部からは折損した釣り竿、濡れたタオル、空になった缶詰などが発見されている。シンク内部から魚類の鱗が確認されたという報告も存在する。
また、一部の放浪者は、無人であるにもかかわらず断続的に食器の触れ合う音を聴取したと報告している。
シャワールーム
階層内には男女別のシャワールームおよび更衣室が複数確認されている。これらの設備は給湯室同様、大部分が使用不能であり、照明の多くは故障している。床面は常に濡れており、排水口からは断続的に生臭い海水が逆流していたという報告も存在する。
シャワールーム内部の壁面やロッカーには広範囲にわたって塩の結晶化が確認されているほか、一部区域ではフジツボや海藻に類似した付着物が増殖している。
また、極めて低確率ではあるが、シャワールーム内部に巨大な金魚の死骸が出現する場合がある。この死骸は多くの場合、排水口付近あるいはシャワーブース内部で発見されることがある。個体は著しく膨張・腐敗しており、周囲には強い生臭さが充満している。
備考
- Level 111 N では、不定期にチャイム音が放送されることがある。階層深部では、チャイムに汽笛のような音が混在していたという報告も存在する。
物品
Level 111 N の廊下、あるいは教室内の壁には多数の掲示物が貼り出されている。
現在確認されている例を以下に挙げる。
- 海水プール合宿の宣伝チラシ。特筆すべき点として、チラシに写るプール施設は朽ち果てている。
- 様々な場所の海を写した写真。天候は例外なく雨である。
- 海底に横たわる満面の笑みの人々の集合写真。ある放浪者より「海難事故で死んだ家族と友人が写っている」との情報が寄せられている。
- 奇形の鮫を描いたと思われる油画。
- 「合格体験記」を模したと思われるポスター。合格者の顔がダム穴のようなものに置換されており、コメントは文字化けしている。
教室内で得られる物品
Level 111 N の教室内では机の上や水上に拾得可能な物品が存在する場合がある。現在確認されているものを以下に記す。
- 朽ち果てたライフジャケット
- 少し塩辛いココナッツウォーター
- 生徒のものと思われるリュックサック。中には稀に水筒やタオルなどが入っていることがある。水筒の中には未知の海洋生物の骨と思わしきものが詰まっている。
- 静かな海の映像を延々と写すプロジェクター。
- 「夏期講習」と表紙に書かれた予備校のテキスト。ページをめくるとびっしりと救難信号が書かれている。
- 滑り気のあるブイ。
入口と出口
階層への入り方
- Level 2 N にて、「彁術室」「妛科室」「袮員室」などの異常な教室に入った場合、気がついた時には Level 111 N 内の教室に到達していたという報告がある。
- 極稀に、Level 114 N にあるトイレが一部破損していることがある。そのトイレの破損部分へ向かって外れ落ちると Level 111 N に到達していることがある。
階層からの出方
- 給湯室に入室後、扉を閉めてから再度開けると、その先が Level 407 N に変化していることがある。
- Level 111 N 内に存在する階段を下を向きながら上っている最中、極めて稀に踏面の材質が変化している場合がある。この変化を確認した時点で、放浪者は既に Level 50 N に到達している。

