Level 103 N に立ち並ぶ方錐型の彫刻と、巨大な窓
Level 103 N とは、バックルームにおける 103 N 番目の階層である。
概要
Level 103 N は路傍の両脇に方錐型の彫刻が並び立った、広く暗い廊下を繰り返す空間である。ほか、多くの方推が並んだ先に見える巨大な鉄格子の窓が、この空間に存在する唯一の光源として Level 103 N を特徴づけている。それ以外のことは、その暗さゆえにほとんど判明していない。
この空間は外に面していないのにも関わらず、常に夜風のような心地良い空気の流れを感じさせる。ほとんどの箇所で20度前後の気温に保たれていて、大きな窓の付近は少し暖かい。空間全体は清潔であり、石鹸とわずかな塩素系洗剤の香りを漂わせている。階層全体では、小さく水が流れる音が響き渡っている。
廊下には乱切りの白い石畳が広く敷かれており、歩きやすいといえるだろう。紡錘形の彫刻が並び立てられている通路脇の地面はふかふかとした肥沃な土になっており、ヒナギクやわずかにヤグルマギクといった草花が、壁際の空気の流れの悪い箇所にはドクダミが自生している。肥沃な土壌の中にはもみ殻や、水はけを良くするための軽石などが混ぜ込まれていて、この特徴から人工的に整備された土壌であるように感じさせられる。
Level 103 N の窓の外には、巨大なコンサートホールのような建造物の内装が見て取れる。その内部に何があるのか、どこから入れるのかは判然としない。
白い方錐
Level 103 N の床に等間隔で敷き詰められた白い方錐形に触れると、よく冷えた大理石のような質感を覚える。その感触に対して方錐は意外と軽く、容易に持ち上げることができる。それ自体の中は空洞で、一つ一つの内部には折りたたまれた古紙が丁寧に、絹の布で包まれた状態で入っている。これらすべての古紙には、活版で黒く印字されたピアノの楽譜が記されている。
有志の調査によれば、それら楽譜の内容の一部分はドビュッシー:版画 - 第一曲『塔(Pagodes)』と一致していたほか、そうでない箇所はおそらく既存のどの楽曲でもないだろうと解釈された。
入口と出口
階層への入り方
- Level 82 N の、現代的な夜の街中を探索している際の唐突な外れ落ちが頻繁に報告されている。突如、辺りに響く風音やその他環境音が停止したのち、辺りのビル群や街灯の光が唐突に消失し、次の瞬間には Level 103 N で立ちつくしていたとのこと。
階層からの出方
- Level 103 N で、より水が流れる音が強くなっていく方角に向かって歩き続けると、次第に水音は篠突く雨のような激しい音に変化する。その音が途端に柔らいだと思うと、いつの間にか Level 54 N の雨降る公園で、傘も差さずにベンチで座っている。
- Level 103 N で、緩やかな下り坂になっている箇所を少しずつ降りていくと、少しずつ道幅が広く、先が明るくなっていく。暗がりの中で、地面は段々と、石畳からアスファルトのような凹凸のあるものに変化していく。さらに進んでいくと唐突な霧に包まれ、その道は Level 40 N の高速道路に接続されていたことがわかる。

