リリースした記事の解説や small idea を書いておこうの場所。
喋りたいこと全部喋るタイプの著者なのでゴリゴリのネタバレも載っています。お楽しみください。
Level 71 N - "狭小なアダルトビデオ販売店"
Fandom 移植作。未だに SNS で共有しづれえなと思っている。 Fandom では 888N より先に、最初に執筆した記事なので、最初に持ってきました。まあ、たぶん、自分にしか書けない類のものだと言えるんじゃないでしょうか。
アイデアのソースは非常にシンプル、というか読んでわかる通りで、「ああいう店のクソ狭さと細長さって面白いよな」が発端でした。だって通路一本で行き交えないんだもの。ただでさえ独りにしてほしい場所であんなに他人と密着して気を遣わなきゃいけないのおかしいよ。もちろん狭い土地の有効活用なんでしょうけど、あの狭さがああいう店の後ろめたさ(≒背徳感?)を増長させている感がありますね。
そこで、「行き交えない」という恐怖感・嫌悪感を強めるために追加されたのが「人型のテントウムシの群れ(テントウムシ人間)」です。もっと嫌悪感を高めようと思ったらゴキブリやゲジやクモにした方がいいんでしょうけど、もう少しわかりにくくてギリイヤなやつにしたかったので、不潔感はなく、単体では嫌悪感を持って語られないけど、いっぱい密集してたらウーワってなるテントウムシを選びました。
で、写真がまた良くて……一番上の段に誰かの靴だけが写ってるんですよね。なんでこんな写真を Wikimedia に載せることにしたんだろう。この靴を設定に拾うために、テントウムシ人間たちが服を着ていることにして、さらに「靴を奪って上階に上がれば、何かある」という形でテントウムシの上に登る習性を回収しました。いいんじゃないですか?
下ネタっぽくなりすぎたら嫌なのでうまく雰囲気だけ得るために「アダルトビデオを抽象化、乃至キュビズム解釈したようなアニメーション」にしたんですが、このネタ元は夢枕獏の短編です。じゃあエロじゃん。おそらくバックルーム内に好事家がいて、「作品」の新作を求めて上へ行ったり下へ行ったりしているんだと思います。
「なんで最初に投稿したのがこれなんだよ」への答えは……時の運です。最初に思いついたんだからしょうがない。
Level 888 N - "縁日続き"
Fandom 移植作。 「延々と続く夏祭りの階層作りてえな」というほぼ完全な状態で思いついた記憶があります。筆者は夏祭りの思い出は特にありません……が、最初は直線ではなくゆるい曲線を描いていて、俯瞰すると螺旋状に登っていくようなイメージだったので、これは地元福岡の大濠公園 ( 洋梨状の池をぐるっと囲う公園。 Google Map ) で行われる、西日本大濠花火大会が発想元にあったような。あれ?! 大濠の花火大会って 2019 年で終わったの?! 構造の説明が難しいのと、「当たり前だけど参道って円形になってることないよね」と思ったので執筆中に直線になりました。なお、ほとんどの距離がメートル法では半端な長さになっているのは、尺貫法基準だからです。活性エリアの長さは約 2 km じゃなくて半里だし、速度は 4 km / h じゃなくて 一里 / 半時 です。
Fandom で生まれたばかりの首なしたちをアイデアに取り込んだのは、 Level 500 η / N が公営団地というめちゃめちゃケな空間なので、彼らにも生活があるならハレもあるのかもな……と考えたためです。結果として彼らに「歪な神道的信仰」という要素を加えることができたのはすごくよかった。
この「縁日」はず〜〜〜っと神社の参道を進んでいるわけですが、作中にある通り、「縁日」とは神と縁を結ぶ日なわけで、この階層にいる限りず〜〜〜っと縁を結び続けているわけです。でも神道的価値観からすると、徒人が神とともに居続けるのは、必ずしもいいことではないですよね。屋台でおいしいものを食べるのを許していただけている以上、悪神ではないのでしょうけれど……この先に座すのは我らの知る由のない、首なしたちの神なのですから。
このまま進み続けていたら、いつか本殿に着く日も来るんでしょうか。
Level 317 N - "気がかりな映画館"
やっと移植でないものを書いたなこいつ。テントウムシ人間を実体として登録したいな〜〜〜という邪心があったのでいろいろアイデアをこねくり回していましたが、不吉な……否、気がかりな映画館に落ち着きました。
実は筆者は映画を見に行く習慣がなく、映画館は親に連れられて行くTOHOシネマズの思い出がほとんどです。TOHOシネマズ、通路が暗いんですよね。上映中にトイレに行くと通路に誰もいなくて怖いんですよ。今一人で映画を観に行けないのは、あの緊張感を思い出してしまうせいかもしれません。あの特別感がいいというのもあるけどね。レジェンダリー版ゴジラを一人で観ようと天神に行って、異様に緊張して映画館に入れず結局帰ってきたこともあったな……。以上余談。そんなわけで、書き上げて思い返してみれば薄暗くて赤黒い映画館のイメージソースはもろにTOHOシネマズだったという話です。
上映されている「映画」は、 71N から連想しやすいものでありつつ、幼い頃に親が録画してくれた VHS で見たクレイアニメとか、昔ニコニコ動画で観たロシアのアートアニメーションとか、あとフェイクドキュメンタリー「Q」とかを思い出しながら設定しました。ああいうイメージです。
あと、ご好評をいただいている辛い映画館フーズは、ジャンク且つスパイシーなものってクセになっちゃうよね〜という発想からきています。執筆中は私生活でもタバスコを買っていろんなものに振りかけていた時期でした。
テントウムシ人間との関連性は……大体ディスカッションに書いた通りです。露骨にクロスリンクするとクサくなっちゃうのでめっちゃ仄めかす感じになっています。 71N とのクロスリンクは排していますしね。
Level 73 N - "Volatility"
2024/03/01: ここの解説書こうと思ったらちょうど今月の注目記事になっていてびびってしまった。ご愛顧いただき誠にありがとうございます。
FD-EN ( 英語圏の Fandom 版 The Backrooms Wiki の略称、 The Backrooms JP コミュニティのジャーゴンの一つ ) に Level 37 - "Sublimity" 、通称 "The Poolrooms" という有名な階層がありまして。 BRs の階層の中でも相当好きな記事なので、これのパロディというか、対応するものとして「ナイトプール」の階層記事を書きたいと思って、 2023/06 くらいから夜のプールの写真をめっぽう集めていたのですが、非公式コンテスト「水祭」開催に際していよいよこいつの出番かと思い立って執筆しました。三位タイ、「水盃」の称号を拝領致しました。まっこと甘き水よのう。ありがとうございます。
"sublimity" 、翻訳すると「荘厳さ」みたいな意味になるのですが、これを "sublimation" とすると「昇華」という意味になります。固体から液体の過程を経ずに直接気体になる現象のことですね ( 気体から直接固体になる方は「凝華 - deposition 」であるものとして話を進めます ) 。心理学に於いてはインモラルな衝動や葛藤を防衛機制として社会的・文化的活動の原動力とすることを指すと学校の保健体育でも習いますが。対して本作はいわゆる「ナイトプール」を題材にしているので、振舞われる酒についても題材に含めたいな、そうだプールに水の代わりに酒が張ってることにしよう、というふうなことは発想の初期から決まっていたと思います。そこでアルコールの揮発性に着目し、「揮発性」を英訳した "Volatility" をメタタイトルにしました。ここでは「昇華」よりも幾分身近な現象であるとして、卑近なイメージで「揮発」を使っているわけですね。「興奮しやすい」「浮ついた」みたいな意味もあって、あらナイトプールの軽薄なイメージにもぴったり合うじゃない……というような感じで膨らんで行きました。
くらくらするくらい酒気が充満してるとか、派手な色の甘くて強い酒 ( 「クライナー」とかのイメージです、飲んだことはない ) を飲み過ぎると酒になってしまうこととかは酒からのイメージで決まりましたが、「猩々」のイメージは実はかつて Hexirp ( Emirp ) さんが某 SNS で共有されていた直立するバイカルアザラシの写真とそれに付随してご本人が描かれたスライム娘イラストに端を発しています。じゃあパロディばっかりじゃないの。そのまま使うわけにはいかなかったのでバイカルアザラシのレオくんの方に遡っていますが、どのみち「水中に直立してこちらを見ている人」は不気味なので入れたかったのでした。元は「セイレーン」とか「ルサールカ」みたいな名前にしようと考えていたのですが、もうちょいあり触れていない水の精を探していたら能の演目「猩々」を見つけ、よくこんなぴったりなものが……と思いながら引用させていただきました。そんなこともある。
ちなみにナイトプール一度も行ったことないし一生行かんと思うので全部偏見で書いています。写真も日本のナイトプールのイメージに合致したものでないことはわかってるんですが、他の写真に決めてもなぜか今の写真が添付されているイメージになってしまうことがわかったので、おれはどうしてもこれにしたかったんだなと思ってあれにしました。そんなこともある。
FAQ
全然ヘッドカノンなので読んだあと全然無視してもらっても全然大丈夫です (予防線)
Q. テントウムシ人間の生息する階層に共通点はあるの?
A. テントウムシ人間は、階層番号が「いずれかの位に 7 を含む素数」である階層に生息します。ナナホシテントウに由来しているだけで、世界観的な設定は特にありません。素数回にだけ現れる黒ねぎ姉さんみたいなことです。
Q. Level 71 N と Level 317 N にはどんな関係があるの?
A. 階層番号が「いずれかの位に 7 を含む素数」であること、テントウムシ人間がいること、古びた小さなエレベーターがあること、「映像」に関連する階層であることが、 71N と 317N の共通点です。これらのどれにどんな意味があるのか (またはないのか) 、著者も敢えてあまりしっかり設定してはいません。他方、この 2 つの階層は直接行き来することはできません。少なくとも、放浪者は。
Q. Level 997 N はどんな階層?
A. 星空や宇宙に纏わる階層だと嬉しいな。書けたら書きます。ちなみに 997 は最大の 3 桁の素数です。
Q. なぜこの階層の食べ物はどれも辛い濃い味なの?
A. 味が強い方が"撒き餌"として優秀だからじゃないでしょうか? 年取ってわかったんですけど、辛いものってクセになるじゃないですか。辛(から)いもの食べてたら辛(つら)いこと忘れられるし。辛いもの食べるのは自傷行為であって、であるからこそ中毒性の高い癒しなんですよね。ワーカホリックの同僚の N さん、辛いもの大好きだったなあ。転職しちゃったけど。
Q. 誰が何のために撒き餌を撒いてるの?
A. さあ?